すべてのカネミ油症被害者救済へ(158)6月21日

~第27回三者協議を傍聴・取材して①~

昨日行われた「三者協議」は、毎年1月と6月に開かれています。
会場は福岡県第2合同庁舎(博多駅からタクシーで5分)。
3者とは、
1)厚生労働省と農林水産省の担当者
2)カネミ倉庫(カネミ油症の原因企業)
3)カネミ油症被害者全国連絡会(認定被害者)のことです。

報道(福岡・長崎の放送局と新聞メディア)は会議の”冒頭撮影”と
会議中は別室でモニターで視聴、会議終了後に”ぶら下がり”取材と
いう流れです。

9時30分から始まった「三者協議」の冒頭、全国連絡会から国
(厚生労働省)に対し、「株式会社カネカに対する要請書の送付
について(依頼)」文書が渡されました。
カネミ油症が起こった1968年、ライスオイルに混入したPCBを
製造・販売したカネカも被害者と向き合うべきとの内容でした。
この件については改めて、後日触れたいと思います。

そして今回も体調不良のため会議を欠席したカネミ倉庫加藤大明
社長がオンラインで登場し、挨拶しました。
オンラインの音声が聞き取りづらかったのですが、
◆現在リハビリに専念していて、次回2027年1月の「三者協議」
 には参加したい。
◆カネミ倉庫として、これまで通り、認定被害者に対し、できる
 限りのことをしてゆきたい。
と述べました。映画「母と子の絆~カネミ油症の真実」で、「三者
協議」後に、取材してから3年が経過しており、オンラインの画像を
見る限り、ようやく加藤社長の意思が垣間見えたと思いました。

昨日取材に来たのは、共同、朝日、毎日、読売、西日本、長崎、
NHK福岡、長崎放送などで、昨晩から今朝報道されたのは、
「カネミ倉庫から認定被害者への一時金(毎年5万円)が、6万円
増額される」ということです。確かに具体的に伝える価値はある
ことですが、実はここ5年間取材した私としては、カネミ油症被害者
の”本質的な救済”には及んでいない、国の対応に”スピード感”がない、
と感じるところです。
今回久しぶりに「三者協議」に参加された方が話されたご意見は、
実に”まっとう”なものでした。
「何年かぶりにこの場に来ました。カネミ油症被害者認定基準の50
ピコグラム(ダイオキシン類の血中濃度)というのは、無理な数字。
これまで『三者協議』から帰る時は、諦めの気持ちになりました。
今日も同じだと思います。次世代(子や孫)の救済は無理なのか?
と思わずにいられない。この場の話はどうでもいいことばかりだ」と。

数年前、涙ながらに切々と辛い家族、特に娘さんの被害状況を語った
広島の方も亡くなり、この「三者協議」にはいません。

全国連絡会のメディア向け会見が開かれ、運営委員の5名の方々が、
「三者協議」をふり返って話をされました。
未認定(非認定)被害者(カネミ油を食べ、重篤な症状があっても、
50ピコグラムに達しないなどの理由により、一時金も医療費の救済
を受けられない方とそのお子さん、お孫さん)救済のために、”政治
の場”に持ち込みたいという内容でした。
では、いつ、だれが、どのように行動してゆくのか?
”正念場”こそ、いま”、なのだと思います。 (つづきます)

カネミ油症被害者救済プロジェクト  稲塚秀孝

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