~第7回東京・文京上映会から~
昨日(2月8日)東京・文京区民センター3C会議室にて「母と子の絆~カネミ油症の真実」上映会を行った。今回は文京区民センターでは7回目となる。ご覧いただいた方々は200名を越えた。
上映後のトークでは、主に「へその緒プロジェクト」の経緯と経過についてお話しした。来場者の中に、東京都の環境衛生事業に関わっていた女性も参加され、80代後半に見受けられた、その方は、当時の研究の中で、”カネミ油症に関わることはなかった“と語られた。その通りなのだと思う。PCB、ダイオキシン類について、研究が行われたのは、1990年代なにかも知れない。この映画が、「カネミ油症事件」の掘り起こしをして、知らない人々、知らなかった世代に投げかけているところと言える。
週明けからは、環境ホルモンや小児神経に関する学会幹部の方々に資料を届け、全国の医師、研究者、そして医学部、薬学部の学生に届け、とお願いすることにしている。
一方、東京・文京上映会は、3月2日、4月12日、5月まで続ける事を決めている。来週は、雪の降り積もる北海道函館上映会が待っている。映画の“全国行脚“は、まだ始まったばかりだ。
映画監督 稲塚秀孝
カテゴリー: すべてのカネミ油症被害者救済へ
すべてのカネミ油症被害者救済へ⑱
~厚生労働省担当者との面談~
昨日参議院議員杉尾秀哉議員事務所において、厚生労働省健康生活局総務課、カネミ油症担当の九十九課長補佐と課員2名の方々と面談させていただいた。既に1月30日に再「要請書」、翌31日に9項目の”追加質問書“を送付済みでした。幾つかポイントとなる点をお伝えしたい。
1.「へその緒」について。母体から胎盤を通じてダイオキシン類の毒性物質が移行していることは明らかとする”見解”を持っている。と答えた。
2..映画「母と子の絆~カネミ油症の真実」の中で、2013年頃に岩村定子さんの長男・満広さんのへその緒を検査した梶原淳睦氏は、「当時の最新鋭の検査機材は既に廃棄していて、へその緒の再調査はできない」と言っていたが、現在も測定は可能と答えた。つまり、国として「へその緒検査」ができる体制は取れるという事が明らかになった。
3.カネミ油症は本来「食中毒」にもかかわらず、九州大学「油症研究班」が、報道から4日後の1968年10月14日にいち早く立ち上がり、保健所の役割を逸脱して、”診断基準“を定めた経緯に国が関わっているのではないかという問いに対し、厚生省(当時)から九大に対し、”通知“が出されていることが分かり、その”通知書”を明らかにするように杉尾議員と共に要請した。
面談は約1時間で、改めて録音素材を検証して、リポートにまとめると共に、今後の担当者の対応や”回答“の内容を吟味して、面談を継続させたいと考えています。
映画監督 稲塚秀孝
すべてのカネミ油症被害者救済へ⑰
~今夏までの活動方針を決めた~
カネミ油症事件発生から57年が経過。子や孫に毒性物質が移行し、さまざまな病状を抱える事実を映画「母と子の絆~カネミ油症の真実」で伝えることができた。そして映画完成後の昨年10月に、岩村定子さんの3人のお子さんのへその緒から、高濃度のダイオキシン類の数値が出てきた。
これからどのように活動を行うべきなのだろうか?今日みっちり2時間”戦略会議“を行った。明日は参議院議員会館内で、厚生労働省の担当者と対峙するために、準備を続けているところだ。今日話し合った方針を速やかに実行に移そうと思う。
映画上映を通じて、「カネミ油症事件」とは何か?を徹底的に“炙り出したい”というのが、”基本的な考え”である。各学会へ乗り込み、”カネミ油症事件“今の状態を伝え、映画のダイジェスト版を配布し、各大学医学部、薬学部などの授業(講座)で語り合い、深め合って欲しいと考えている。
ここからは、日々の活動から、いかに”成果“を導き出すかにかかっているのである。一つの”メルクマール“は7月と想定し、それまでに何らかの成果を得られるに違いない。
映画監督 稲塚秀孝
すべてのカネミ油症被害者救済へ⑯
~いくつかの戦略を駆使して~
2月1日にオンラインで参加した「カネミ油症勉強会」で出たお話について、今少し触れてみたい。
当日は「へその緒プロジェクト」についての経緯と現状報告が中心だったので、かなり絞り込んだ内容となった。あえて私から切り出すことではないけれど、予想される懸念に答えた。
- へその緒を持っていない人の救済方法は?
今回岩村定子さんの3人のお子さんのへその緒から、高いダイオキシン濃度が検出されたことで、ダイオキシン類が混入した両親(いずれかも)から生まれたお子さんに毒性物質が移行することが明らかになったので、別にすべての方のへその緒を調べなくてもいいのではないか?と考えている。
研究者の方は「へその緒」100例は必要と簡単におっしゃるが、そうならば「へその緒プロジェクト」の私たちではなく、国(厚生労働省)に訴えて欲しい。国がへその緒検査すべきと私は強く思っている。どだい民間人の「へその緒プロジェクト」が資金調達して「へその緒検査」をするのは、”筋違い“のことと言いたい。
また「へその緒」を持っていない人は、被害者として認められないのでは?と話す研究者がいたが、上記の範疇で対応できるし、では「へその緒」以外で2025年時点でカネミ油症被害を証明できる方法を懸命に探してもらいたいと思っている。
- へその緒検査を行ってもダイオキシン濃度が低い場合は?
これは仮定の話なので、その位たくさんのへその緒検査ができるようになったら、なぜ低いのかを検証すればいいだけの話なのではないか?今、議論することではないように感じるのだが・・。
しかし“研究者”と呼ばれる方々には、カネミ油症被害者救済を阻害する「応分の責任がある」と「母と子の絆~カネミ油症の真実」のエンディングで語りをいれた。多くの時間と資金を費やした研究成果を、ぜひ行動力に変えて、目に見える形で、被害者救済に力を尽くしてほしい、と切に思います。
映画監督 稲塚秀孝
すべてのカネミ油症被害者救済へ⑮
~「カネミ油症勉強会」で得たこと~
昨日、「カネミ油症勉強会」にオンラインで参加させていただきました。事務局から「へその緒プロジェクト」について現状報告を聞きたい、という趣旨でしたので、こちらから映画のダイジェスト版(35分)を観ていただいた後に、20分ほどお話しました。
「へその緒プロジェクト」は、映画取材で岩村定子さん(カネミ油症被害者、長崎県五島市奈留在住)にお聞きした、「カネミ油を食べて、10年以内に生まれた3人のお子さんのへその緒を調査してほしい、という強い思いと次の宮田秀明摂南大学名誉教授の「へその緒に残るダイオキシン類数値を調べることに意味がある」のアドバイスがキッカケとなり、昨年1月12日福岡市役所で開かれた「記者懇談会」から始まりました。
映画完成は昨年8月、その頃民間の検査会社にへその緒の調査を託し、10月22日にその検査結果が届きました。岩村定子さんから高濃度のダイオキシン類が、3人のお子さんに移行していることが明らかになりました。
その後、それぞれ「カネミ油症」に関わって来られた方々から感想や意見が出されました。あれもこれも映画に盛り込んでほしかったという意見には、「映画は万能ではない」と応えました。何を伝えたいかという”構成“に基づいて製作しているからです。
研究者の方々は、それぞれに専門分野と個人の研究テーマをお持ちですから、自分の”考え“第一なのですが、そこは相いれないなと感じました。ご自分がやりたいことを進める“行動力”を持てばと、言いたかったのですが、それは”寸止め“いたしました。
次回作「幻のかくめい」は、九州北部の筑豊の物語です。1960年の「大正行動隊テーゼ」では、
◆やりたいものがやる、やりたくないものはやらなくていい
◆やりたくないものが、やりたいものを批判するのは自由
◆ただし、やりたくないものが、やりたいものの邪魔はしない
というのが原則です。ですから、もっともっとご自分のやりたいことを、“アグレッシブ“に世間に、表に出していただきたいと思います。多方向からのアプローチを、スピード感を持ってやらなければ、すべてのカネミ油症被害者救済は、実現しないと思います。
映画監督 稲塚秀孝
すべてのカネミ油症被害者救済へ⑭
~「へその緒プロジェクト」推進へ~
今日から映画「母と子の絆~カネミ油症の真実」のホームページトップに、&「へその緒プロジェクト」が加わりました。映画上映はまだまだ続きますが、電車でいえば「へその緒プロジェクト」が連結されたわけです。
「へその緒プロジェクト」がスタートしたのは、昨年1月12日(金)福岡市役所で行われた記者懇談会でした。そして映画が完成し、全国で上映が始まり、12月厚生労働省健康・生活局に、「へその緒検査」推進を求め、すべてのカネミ油症被害者救済に向けた「要請書」を送り、今年1月20日に”回答”が届きました。(カネミ油症被害者救済へ⑬)
勿論その回答は納得できる内容ではなく、昨日1月30日に再「要請書」を厚労省に送り、2月に入ると国会議員のお力添えを得て、「へその緒プロジェクト」として、厚生労働省の担当者と面談することを予定しています。まず昨日送った再「要請書」に対する、再“回答”を求めるところから始まるのだと思います。
今回の通常国会は6月22日までと長期です。どこかの日に「へその緒プロジェクト」が国に罪を問う弁論内容を国会議員の方に叶えていただきたいと思います。前を向いて、一歩、一歩始まると感じています。
映画監督 稲塚秀孝
すべてのカネミ油症被害者救済へ⑬
~”全体が分かった”との感想~
一昨日、1月28日17時から参議院議員会館講堂で「母と子の絆~カネミ油症の真実」上映会と”対話集会“が行われました。
一般参加者とメディアの記者の方々と共に、6名の国会議員がお見えになりました。通常国会が開催されて、慌ただしい中、お越しいただいたことに感謝申し上げます。現在衆議院議員465名、参議院議員124名、合わせて689名の方々の1%となりますが、ここから始まり、拡げられると思いました。国(厚生労働省)の施策を動かすには、さまざまな方法があると思います。
1.国会の場で流れを作る
2.裁判に訴え、国と対峙する
そして欠くことができないのは、”世論喚起”だと思います。多くの皆さんに「カネミ油症事件」を知っていただき、その“不合理さ”を理解いただき、応援していただくことです。国会上映会に参加された方のアンケートに、”カネミ油症事件の全体が分かった“という感想がありました。また昨日ナゴヤキネマ・ノイ(名古屋の劇場)でご覧になったカネミ油症被害者の方から、同じ言葉があったと聞きました。2025年1月28日は、”始まりの一歩“になると、改めて思います。
映画監督 稲塚秀孝
カネミ油症被害者岩村定子さんの第一子、第二子、第三子の保存臍帯(へその緒)における ダイオキシン類に関する報告
本報告は、岩村定子さん(長崎県五島市奈留在住)の3人の子どものへその緒中で検出されたダイオキシン類についてカネミ油症被害によるものであります。なお岩村定子さんはカネミ油症認定被害者です。
厚生労働省健康・生活衛生課宛の「要請書」とその回答
昨年12月末に「母と子の絆~カネミ油症の真実」製作委員会・「へその緒プロジェクト」名で、3項目の「要請書」を作成し、厚生労働省 健康・生活課宛に送りました。本年1月20日に回答(青色)がありました。
①国(厚生労働省)及び全国油症治療研究班、九州大学油症治療研究班は、速やかに「カネミ油症被害者」のへその緒検査を実施し、子や孫の健康被害に対し、医学的措置と補償を行うことを要請する。
(厚労省 回答)
臍帯のダイオキシン測定については、正確性、再現性、当時の正常値が無いなどの問題が有るため、カネミ油症の診断基準に含まれておらず、測定しても認定に活用することは困難であるものと承知している
②国(厚生労働省)は、現在の認定制度基準(ダイオキシン類の血中濃度、50ピコグラム、1968年12月31日現在の同居家族)を撤廃し、すべてのカネミ油症被害者の救済に着手することを要請する。
(厚労省 回答)
カネミ油症の認定については、PCB等の毒性に関する科学的知見や、患者の検診結果等の最新の科学的知見を踏まえ、認定が行われているものと認識している。 国としては、カネミ油症患者に関する施策の総合的な推進に関する法律に基づき、引き続き、カネミ油症患者に対する必要な施策の実施に努めてまいりたい。
③国(厚生労働省)は、1968年当時カネミライスオイル(ダイオキシン類が混入した油)を食べた親から生まれた子や孫に「カネミ油症被害の症状」が診断された場合、「カネミ油症被害者」と認めることを要請する。
(厚労省 回答)
子や孫世代においてもカネミ油症の診断基準を踏まえて認定が行われていると認識している。診断基準に関しては、研究成果や検診結果等の最新の科学的知見に基づき、必要に応じ、研究班において見直しが検討されるものと承知している。
2025年1月28日
「母と子の絆~カネミ油症の真実」製作委員会
「へその緒プロジェクト」 代表 稲塚秀孝
すべてのカネミ油症被害者救済へ⑫
~”言葉遊び“と”工程表“なし~
昨日1月24日「第27回 油症対策委員会」は博多駅前のホテルで行われた。半年に1回、カネミ油症の治療・研究の成果(?)を示す名目で、九州大学油症治療研究班が開き、新たに厚労省の担当者も顔を見せ、カネミ油症被害者全国連絡会の方々に報告し、質問を受ける形式で1時間半行われた。
報道(私も含め)関係者は、奥の一隅で、質問はできず、会議後の”ぶら下がり”は5分間と限定される、先日のフジテレビ会見並みの劣悪さだった。前回2024年6月から、見事なほど進展はなかった。認定・未認定問題に関わる「診断基準見直し」について、九大の中原班長は、過去に話された「有識者会議」設立(未定)とは異なる「再評価委員会」(診断基準見直しに関する)を立ちあげたいと宣言した。しかし、その内容といつから始まるのか?工程表は語られなかった。何か”新味“を出そうと思いつきを言ったようだった。勿論同席した厚労省の担当者は一切発言しなかった。私なら「厚労省の方は了承していますか?」と聞きたい所だが、被害者の方々に”詰めろ“というのは、無理か?
今朝の地元紙には「再評価委員会に期待」的なニュアンス記事が出ているが、現場で感じた空気は違っていたように思える。会議後の被害者の方々の”検討会議”でも、「再評価会議」に期待する声が躍った。本当にこれでいいのだろうか?厚労省の担当者は長くて1年半で交代する。九大の班長も数年で交代する。そして担当記者も数年とくれば、何度もこうした状況が繰り返され、“行きつ戻りつ”どころか、“戻りつ、戻りつ”ではないだろうか?何とか被害者救済に向けて、風穴を開けたい、と思う気持ちには、じれったくて、じれったい。
映画監督 稲塚秀孝