すべてのカネミ油症被害者救済へ(77)

 ~”やりたいものがやる”という行動原理~

 昨年10月に「母と子の絆~カネミ油症の真実」の全国公開が始まったが、これは「カネミ油症事件」が、1968年(昭和43年)10月10日の朝日新聞報道から始まった時期を考えていたからであった。劇場公開の上映タイミングは、土曜日か金曜日開始と分かれているが、今回は元町映画館(神戸)が10月12日(土)~18日(金)でスタートしている。

 そして今年は「市街戦のジャズメン 作家佐藤泰志の衝撃」が、泰志さん没後35年にあたり、故郷シネマアイリスで10月10日からの上映が決まった。偶然2年続けて、10月10日が”メルクマール”となったのである。さらに今日9月1日から次回作「幻のかくめい」(仮題)の編集が静かに始まった。1958年から始まった文化運動「サークル村」と大正鉱業退職者同盟~大正行動隊の闘いを描く作品である。

 この欄でも何度か紹介しているのだが、大正行動隊の”行動原理”は、
①やりたいものがやる
②やりたくないものはやらなくていい
③やりたいものはやりたくないものに”強制参加”を求めず、 やりたくないものはやりたいものの”足を引っ張らない”
である。①と②はともかく、③は画期的で、日本の様々な運動体の中で、突出した“発想”が内在している。カネミ油症被害者救済に向けて、私たち=カネミ油症被害者救済プロジェクトは、シンプルにこの”行動原理”を、60年後の今、具体的に展開していきたい、と考えている。10月から始まる「臨時国会」が当面の対象で、そこに”視座”をおいている。」

                                映画監督  稲塚秀孝

すべてのカネミ油症被害者救済へ(76)

~まともに回答できない厚労省担当者へ~

 一昨日、8月20日18時46分と47分に2通のメールが届きました。厚生労働省健康・生活局食品監視安全課からのもので、最初は映画「母と子の絆~カネミ油症の真実」の中で描いた”厚労省と九州大学油症治療研究班との関わり”についての件です。

 2024年1月の「三者協議」の映像が、”不適切な映像使用”と言われ、前回6月14日の「三者協議」後の記者会見が突如撮影・録画禁止となったことについて、見解を求めたことへの回答でしたが、全く理解不能な、”はぐらかし”でした。

 「あなた方に、問いに真摯に向き合うことはないのか?」と言っても空しいことかも知れませんが、”虚空”を睨むしかありません。続いて「再々々要請書」(4回目)に対する回答ですが、これも全く”何も答えていない”内容でした。繰り返し要請し、回答が来た中で、明らかになったのは、
①カネミ油症被害者を認定する”診断基準”には、法的根拠がないということです。
再三要請している「診断基準に法的根拠があるのか、ないのか」と二択で聞いているのに対し、答えられないことが判明しました。
②「不適切な映像使用」であると認めようとせず、撮影・録画禁止の根拠を示せない事実がある。
すでに6月13日「油症対策委員会」後の九州大学油症対策委員会中原剛士班長(皮膚科教授)は、私の問い、「映画が不適切な映像使用ということで、会見の撮影・録画を禁止する通達(翌日撤回)されたのですね?」に対し、「その通りです」とあっさり認めているのです。

 さて、この”埒があかない”状態を踏まえ、今後どのようにアクションをしてゆくべきか?ターニングポイントを迎えていると思います。8月末までに、次のアクションの方向性を出したいと思います。なお厚労省省からの回答(8月20日版)を掲載しますので、じっくりお読みいただければ、幸いです。

                              映画監督 稲塚秀孝
【添付】厚労省省からの回答(8月20日版)
厚生労働省 健康・生活衛生局食品監視安全課指導係
佐野進一郎 課長補佐 さま
 昨年(2024 年)12 月末に「母と子の絆~カネミ油症の真実」・「へその緒プロ
ジェクト名で「要請書をお送りしてから、4 度目となります。
1 回目の回答は本年 1 月 20 日、2 回目は 3 月 19 日、3 回目は 6 月 9 日でした。
これまで 3 回のやり取りを精査・検証した上で、4 回目、再々々「要請書」をお送り
いたします。ぜひご回答をお願いいたします、(Q)は当方からの質問
①(Q) 「カネミ油症被害者に対する診断基準」に法的根拠はありますか?
前回の質問を繰り返します。
「カネミ油症被害者に対する診断基準に関する『法的根拠』を明らかにして
いただきたい。どのような法律に基づいて行われているのか?」
この質問に対する、回答が見当たりませんでした。赤字は、回答文から
カネミ油症の診断基準については、全国油症治療研究班において策定され、
PCB 等の毒性に関する科学的知見や、患者の健診結果等の最新の科学的知見
を反映した見直しが行われております。・・・」
と書かれていますが、周知の通り、
1968 年 10 月 14 日に九州大学において「油症治療班」が立ち上がり、翌年発行の
「序言」(勝木司馬之介九州大学病院長)では、勝手に診断基準を書き込まれて
いることから始まっていることと思います。
改めて問います。
(Q) 「カネミ油症被害者の診断基準」に法的根拠(法律及びそれに類する)が
あるのか、ないのか?を明確にご回答いただきたいと思います。
(厚生労働省回答)
〇 繰り返しとなりますが、食中毒事件においては、具体的な被害症状等に関する
医師の診断等に基づき判断することとされており、調査の過程において、食品の
喫食と症状の発現との関係を究明する場合や、原因等の特定のために臨床症状
から患者を特定する必要がある場合については、専門家の意見を聴いて診断基
準が策定されます。
〇 カネミ油症の診断基準については、全国油症治療研究班において策定され、
PCB 等の毒性に関する科学的知見や、患者の検診結果等の最新の科学的知見
を反映した見直しが行われております。そして、診断基準を参考に、血中のダイ
オキシン濃度のほか、患者の症状等を総合的に判断した上で、各自治体におい
て、カネミ油症の認定が行われています。

② (Q) 「不適切な映像使用」とされた映画「母と子の絆~カネミ油症の真実」につ
いて何が不適切な映像使用と断定されたのか、理由を明らかに願いたい。
もし貴省の〝勘違い“とかであれば、「撮影・録画の禁止」(本年 6 月 14 日「三者
協議」後のぶら下がり会見)の間違いを認めて、訂正し、「母と子の絆~カネミ油
症の真実」製作委員会に対する”謝罪“を行っていただきたい。
なおすでに提出済(6 月 18 日付)の「報道における動画使用の件について見解
を求めます」を添付いたします。
 6 月 13 日「油症対策委員会」後のぶら下がり会見の際、九州大学油症治療研究
班、中原剛士班長に、「先日油症治療班から送られてきたメールに、『不適切な
動画利用により、今回の撮影・録画禁止(後日撤回)とは、映画『母と子の絆~
カネミ油症の真実』のことを指しているのでしょうか?」と尋ねると、中原班長は
「その通りです」と答えたことから、厚労省と九州大学油症治療研究班は、同一
の考えをお持ちと判断いたしました。
(厚生労働省回答)
○ 前回の三者協議(令和7年6月 14 日開催)後における国への取材の取扱いにつ
いてですが、元々、三者協議について、一般的な報道関係者に対する対応として
の冒頭撮影の他、三者の合意を得た上で、三者協議当日に会場別室にて、三者
協議を、一部を除きオンラインでオープンとするなど、報道関係者の皆様へ議論
の内容を情報提供させていただいております。
○ それに加えて、協議内容の理解促進を図るため、三者協議後に厚労省と農水
省から報道関係者の皆様に対し、協議内容について補足的に説明する機会を設
けることとしているものであり、そうした趣旨に沿った取扱いとしています。

③ (Q)「カネミ油症被害者のへその緒検査」再開のお願い
昨年(2024 年)にカネミ油症被害者 故岩村定子さんの 3 人のお子さん
(1973 年~1977 年生)の「へその緒検査」を行いました。
既にその結果は送付済みですが、長男満広さんは重篤な症状で、生後 4 か月で
亡くなりましたが、次男、長女のお二人はカネミ油症被害者として症状を抱えて
おります。母の定子さんから移行したダイオキシン類の数値も一般の方に比べ
て大きい結果が判明しました。
九州大学油症治療研究班は、2009 年 5 月発行「福岡医学雑誌」において、
へその緒検査の結果を示していますが、その後研究は途絶したままです。
この 16 年間に及ぶ「へその緒研究」の“空白”は、カネミ油症被害者にとって、
大きな”損失“と言わざるを得ません。
しかも民間の「へその緒プロジェクト」が、へその緒検査の成果を提示したにも
関わらず、厚労省と九州大学が真摯に向き合うことをしないことには、残念至極
です。
今からでも遅くはありません。
検査機材を保有していることは、前回の「要請書」に記載した通り、確認済です。
カネミ油症被害者の方々の”残されたへその緒“にも限りがあります。
ぜひ「カネミ油症被害者のへその緒検査」の再開をお願いいたします。
(厚生労働省回答)
○ 前回の回答の繰り返しとなりますが、油症認定患者である母親を介して児に
ダイオキシン類が移行する場合もあることは承知しており、診断基準にもその
旨記載されていますが、全国油症治療研究班の調査研究において、
・ ダイオキシン類が胎脂、胎便等の形で、高濃度で胎児から排出されること
・ 個人差はあるものの、患者の子の血中ダイオキシン類濃度は、親と比較して
も大幅に低くなっていること
等も明らかになっています。そして、臍帯におけるダイオキシン類の測定は、技
術的には可能であるが、臍帯の保存状況によっては、ダイオキシン類の測定
にあたり、正確性、再現性などの問題があると全国油症治療研究班から伺っ
ています。


2025 年 6 月 24 日
「母と子の絆~カネミ油症の真実」製作委員会
「へその緒プロジェクト」
代表 稲塚秀孝



すべてのカネミ油症被害者の救済へ(75)

 昨日は80年目の”終戦の日”でした。80年目という”節目”の効果は大きく、メディアの報道も幅広く、分厚い印象があります。”報道の使命”は”継続”と”掘り起し”にあると思います。次々と新たな”世代”が現れる中で、”何度でも”伝え、さらに”新たな事実”を伝えることが必要だと思います。

 事件発生(1968年)から57年が経過した「カネミ油症事件」においても同様だと考えています。そこで”ここから始める”ことが大事だと考え、昨日から「カネミ倉庫研究プロジェクト」を始めることにしました。当初のメンバーは、信頼のおける3人でスタートしました。カネミ倉庫は今も福岡県小倉港に面して、”健在”する会社であり、1968年に発生した「カネミ油症事件」の”原因企業”であります。今も被害者(認定者)の方々に50,000円の”お見舞い金”と医療費の負担をしています。それは国の”肩代わ”ですが、所詮一民間企業ですから、”永久”にできるかどうかは確証がありません。年2回福岡で開催される「三者協議」(国=厚生労働省、農林水産省)、カネミ油症被害者全国連絡会、カネミ倉庫)において、カネミ倉庫の加藤大明社長は、”体調不良”を理由に、数回欠席しており、原因企業としての”責任”を果たしていないという事実があります。今後調査・研究を進め、秋以降に”成果”を明らかにしていきたいと思います。

 全国の医師、研究者、被害者、支援者の皆様には、ぜひどんな些細なことでも結構ですので、情報をお寄せいただきたいと思います。

                          映画監督 稲塚秀孝 090-3433-6644
            inazuka.takionjapan@gmail.com (最近 アドレスを変更しました)

すべてのカネミ油症被害者救済へ(74)

 ~10月12日東京文京上映会に集まれ~

 すでに本欄でお伝えした通り、カネミ油症事件の報道は1968年(昭和43年)10月10日の朝日新聞が最初となりました。それから半世紀を越え、57年の歳月が流れています。そこで、カネミ油症事件から57年!!すべてのカネミ油症被害者の救済を!2025年秋東京上映会を、10月12日(日)14:00~ 東京・文京区民センター2A会議室で開催いたします。カネミ油症事件を知る人も、知らない人も、ぜひ「母と子の絆~カネミ油症の真実」をご覧いただきたいと思います。

 この映画は2020年、コロナ禍の中で始まり、被害者の方々の証言をいただき、心ある研究者、医師の方々の協力に支えられ、集められた資料を基に製作されました。いま、劇場公開から自主上映会の活動に取り組んでいます。協賛いただいたグリーンコープさんは、まさに「食の安心・安全」に取り組んで来られており、鹿児島、福岡、兵庫など各地での上映会が開催されています。

 映画製作と共に、「へその緒プロジェクト」が始まり、今は「カネミ油症被害者救済プロジェクト」として、国会での活動に軸足を動かしています。この10月半ばから、臨時国会が年末にかけて開催される見込みですが、ぜひ国会の舞台で、カネミ油症被害者救済の”糸口”を見つけ、開いていきたいと準備を進めています。引き続きみなさまの、ご支援をお願いいたします。

                                   映画監督 稲塚秀孝

すべてのカネミ油症被害者救済へ(73)

 ~厚労省からの返事は”お盆入り”~

現在厚労省健康・生活衛生局食品監視安全課(2025年4月1日付けで、総務課→食品監視安全課へ)へ提出中の2通の文書の返事は、いまだ届かず、今日から17日までの”お盆入り”となる見込みです。じりじりとした”暑さ”と共に、厚労省の対応の遅さにもじりじりとした気分です。

6月13日「油症対策委員会」、14日「三者協議」における会議後の記者会見における「撮影・録画禁止」がいかに不当なものか、「不適切な映像使用」と名指しされた当事者として、なおざりにできません。何としても、8月末までに決着させたいと思います。

さて今日8月9日は、長崎に原爆投下されて80年を迎える日となります。カネミ油症の被害者が多い長崎(五島地方)には、被爆された方の中には、カネミ油症被害者の方もおられます。歴史の掘り起こしを進めることが重要なことだと、改めて認識するとともに、急がなくてはならないと思います。

   映画監督   稲塚秀孝

すべてのカネミ油症被害者救済へ(72)

 ~2025年10月「臨時国会」へ向けて~

 本日午後、国会議員の方と打合せを行った。ポイントは3つ。
①カネミ油症被害者を認定する”診断基準”は、”法的根拠”がないことを明確にし、抜本的な改善策、救済策に向かう。
②「母と子の絆~カネミ油症の真実」における映像について、「不適切な映像」しようと位置付けた
厚労省に見解を求め、謝罪を求める。
③カネミ油症事件の”原因企業”のカネミ倉庫の”闇”を明らかにする。
一つ一つ、これまでの資料と共に、”裏付け”を取ってゆくことを行う。

 基礎データ収集は8月末、データ整理は9月20日まで、その後国会議員の方々と打合せを行い、10月からの「臨時国会」において、具体的な質問を行い、国(厚労省)の欺瞞を暴く、のが”最大のミッション”である。ここからは、いつもの口癖、”粛々と行いたい”。

                                映画監督 稲塚秀孝

すべてのカネミ油症被害者救済へ(71)

 ~「不適切映像使用」問題ー再度厚労省へ~

 7月29日に届いた厚労省健康・生活局食品監視安全課指導係からの回答は、”噴飯もの”でしたが、気持ちを切り替えて、昨日8月1日に再度厚労省へ文書を送りました。基本は「日適切映像使用」と判断された理由を明らかにして欲しい、というものです。

 さらに簡潔な内容を”旨”としていますので、シンプルに4点に絞りました。
①「三者協議」後の、国(厚生労働省・農林水産省)の”ぶら下がり会見”は、”記者会見”ですね?
②”記者会見”とするなら、メディアの方々の質問に誠実に答えるとともに、記者会見の画像使用は、”報道”されることは理解できますね?
③急にぶら下がり会見の「撮影・録音禁止」と処置された理由は?
④「不適切映像使用問題」について、厚労省の担当者と面談を求めたい。

 以上としました。曖昧模糊な、意味不明な回答では、”埒があきません”ので・・・。回答期限は、8月20日(水)とさせていただきました。

                                    映画監督 稲塚秀孝

すべてのカネミ油症被害者救済へ(70)

 ~厚労省は舐めきっている?~

 今晩「不適切映像使用」について、厚労省の担当者からメールが届いた。その内容は実に”噴飯もの”で、率直に言えば、厚労省は舐めきっている、ということだと思った。以下、メールを全文公開します。

稲塚様
  お世話になっています。
厚生労働省健康・生活衛生局食品監視安全課です。標記について、以下の通り回答させていただきます。
(回答)
 ご照会の件ついてですが、元々、三者協議後の国への取材の受け付けは、報道関係者に対し、協議内容の補足・説明を行うとともに、その説明内容を情報提供するものであることから、本趣旨に沿った内容を改めて明示したものです。
以上になります。この度は回答が遅れてしまい、大変申し訳ありませんでした。どうぞよろしくお願いします。

 という内容でした。何を言いたいのか?全く理解不能で、支離滅裂な文章です。こんな”回答”しかできない、指定の返答期日を10日も過ぎてです。ざっくり言って、舐めてんのか?と思います。明日30日中に、更なる問合せを厚労省の担当者にしたいと思います。
                                           映画監督 稲塚秀孝

すべてのカネミ油症被害者救済へ(69)

 ~厚労省からの回答~

 昨年12月から厚労省の担当者に対し、「要請書」を送り、今4回目の回答を待っているところだ。期限は7月18日だったので、律儀に19日に”督促”を行ったところ、22日にメールが届いた。

 「前回の三者協議後にメールにて2通のご依頼をいただいているところです。・・・・・」とあり、1通は週明けに、もう1通は回答にまだ時間がかかるというところです。いずれにしても、回答があり次第、この欄でご紹介したく思います。

 この春から担当は、「厚生労働省健康・生活衛生局食品監視安全課指導係」に変わり、次々と担当者が入れ替わっている。いったいどうなっているのだろうか?今の当事者は、片桐 達 指導係長なのだろう。とにかく次の行動に動き出すために、速やかな回答を待っている。

                                映画監督 稲塚秀孝