すべてのカネミ油症被害者救済へ(71)

 ~「不適切映像使用」問題ー再度厚労省へ~

 7月29日に届いた厚労省健康・生活局食品監視安全課指導係からの回答は、”噴飯もの”でしたが、気持ちを切り替えて、昨日8月1日に再度厚労省へ文書を送りました。基本は「日適切映像使用」と判断された理由を明らかにして欲しい、というものです。

 さらに簡潔な内容を”旨”としていますので、シンプルに4点に絞りました。
①「三者協議」後の、国(厚生労働省・農林水産省)の”ぶら下がり会見”は、”記者会見”ですね?
②”記者会見”とするなら、メディアの方々の質問に誠実に答えるとともに、記者会見の画像使用は、”報道”されることは理解できますね?
③急にぶら下がり会見の「撮影・録音禁止」と処置された理由は?
④「不適切映像使用問題」について、厚労省の担当者と面談を求めたい。

 以上としました。曖昧模糊な、意味不明な回答では、”埒があきません”ので・・・。回答期限は、8月20日(水)とさせていただきました。

                                    映画監督 稲塚秀孝

すべてのカネミ油症被害者救済へ(70)

 ~厚労省は舐めきっている?~

 今晩「不適切映像使用」について、厚労省の担当者からメールが届いた。その内容は実に”噴飯もの”で、率直に言えば、厚労省は舐めきっている、ということだと思った。以下、メールを全文公開します。

稲塚様
  お世話になっています。
厚生労働省健康・生活衛生局食品監視安全課です。標記について、以下の通り回答させていただきます。
(回答)
 ご照会の件ついてですが、元々、三者協議後の国への取材の受け付けは、報道関係者に対し、協議内容の補足・説明を行うとともに、その説明内容を情報提供するものであることから、本趣旨に沿った内容を改めて明示したものです。
以上になります。この度は回答が遅れてしまい、大変申し訳ありませんでした。どうぞよろしくお願いします。

 という内容でした。何を言いたいのか?全く理解不能で、支離滅裂な文章です。こんな”回答”しかできない、指定の返答期日を10日も過ぎてです。ざっくり言って、舐めてんのか?と思います。明日30日中に、更なる問合せを厚労省の担当者にしたいと思います。
                                           映画監督 稲塚秀孝

すべてのカネミ油症被害者救済へ(69)

 ~厚労省からの回答~

 昨年12月から厚労省の担当者に対し、「要請書」を送り、今4回目の回答を待っているところだ。期限は7月18日だったので、律儀に19日に”督促”を行ったところ、22日にメールが届いた。

 「前回の三者協議後にメールにて2通のご依頼をいただいているところです。・・・・・」とあり、1通は週明けに、もう1通は回答にまだ時間がかかるというところです。いずれにしても、回答があり次第、この欄でご紹介したく思います。

 この春から担当は、「厚生労働省健康・生活衛生局食品監視安全課指導係」に変わり、次々と担当者が入れ替わっている。いったいどうなっているのだろうか?今の当事者は、片桐 達 指導係長なのだろう。とにかく次の行動に動き出すために、速やかな回答を待っている。

                                映画監督 稲塚秀孝

すべてのカネミ油症被害者救済へ(68)

 ~「羽田闘争」から学ぶこと~

 2か月前から断続的に北海道苫小牧市に通い、「市街戦のジャズメン~作家 佐藤泰志の衝撃」の編集を進めています。いよいよ明日最終MA(音処理)の日で、完パケ(完成)を迎えます。取材開始は2021年12月ですから、4年近くが経過しました。

 1967年10月8日佐藤栄作首相(当時)の南ベトナム訪問阻止闘争が羽田空港に繋がるいくつかの橋で展開し、京都大学生、山﨑博昭さんが亡くなりました。機動隊による”撲殺”ではないかと言われています。山﨑さんの死に衝撃を受けた佐藤泰志さん(函館西高校3年)が書いた小説「市街戦の中のジャズメン」は、第5回有島青少年文芸賞優秀賞になりましたが、新聞本誌に掲載されませんでした。それはなぜか?

 今回羽田闘争を描いた映画「現認報告書」(小川伸介監督)をお借りしました。迫力がありました。当時各セクトは”一点突破全面展開”すべく、羽田空港に繋がるいくつかの橋の攻撃を”分担”していました。結果として、機動隊の壁は崩せず、羽田空港に突入できず、「佐藤栄作首相南ベトナム訪問阻止」はできませんでした。

 私はその頃、北海道苫小牧市に住む高校2年生で、恵庭事件を題材に劇を上演していましたが、10月9日の北海道新聞1~4面を埋めた見出しと写真は記憶に残っています。

 58年後の今、「羽田闘争」から何を学ぶか?それは、”志(こころざし)”が近い人たちが、それぞれに”闘い”戦線”を広げなくてはいけない、という思いです。できるか、できないかが問題ではありません。やること、実行することが大事なのです。すべてのカネミ油症被害者救済に向けて、当プロジェクトは全力を尽くそうと考えています。
                           「カネミ油症被害者救済プロジェクト」
                             代表 映画監督 稲塚秀孝

すべてのカネミ油症被害者救済を(67)

 ~これからが”大事”となる~

 参議院選挙が終了し、その結果を容認できるものではありません。2つの若い政党が支持を増やしたことに、この国の”病巣”があると言わざるをえません。そのことは後日述べたいと思います。

 「第7回ナガサキ映画と朗読プロジェクト」(7月19日・20日)を終えて、今日は北九州市に移動し、上映会を開きました。そこで15名ほどの方々と、カネミ油症被害者救済に向けて、「カネミ倉庫」(カネミ油症事件の原因企業)が今も存在するこの地で、原点となる活動をしなくてはいけないと話し合いました。改めて、被害者の方々の声を拾い、次の活動に結び付けることが重要で、”カネミの夏”を展開しようと思います。

 7月26日「カネミ油症被害者救済プロジェクト」として、老舗の支援団体「カネミ油症被害者支援センター」(YSC)幹部との話し合いが行われます。私たちはこの”初協議”を皮切りに、連携を模索しつつも、独自の救済活動に取り組みます。

 6月18日に厚労省の担当部者と九州大学油症治療研究班に対し抗議文と「再々々要請書」を送り、7月18日までの回答を求めましたが、まだ回答は届いていません。明日以降、追求したいと思います。

「すべてのカネミ油症被害者救済プロジェクト」代表
映画監督 稲塚秀孝

すべてのカネミ油症被害者救済へ(66)

~原因企業「カネミ倉庫」をめぐる歪(いびつ)さ~

 高校時代に読んだ大江健三郎の小説に中で、いくつか印象深い言葉があったのだが、やはり最もインパクトがあったのは、”本当のことを言おうか”だったように思う。そして今、「カネミ倉庫」に関して、当てはまるのではないだろうか?整理してみると、
◆カネミ油症事件の原因はダイオキシン類で、「カネミ油」(カネミ倉庫製)によることは明白である。
◆1968年春ころから、ダイオキシン類が混入した「カネミ油」を口にした、福岡・長崎ほか、西日本一帯の消費者家族が被災している。
◆現在医療費補助は「カネミ倉庫」(原因企業)が行っており、その原資は国(農林水産省)が政府米の保管(倉庫業として)料が充てられている。
◆「カネミ倉庫」の経営状況が危ぶまれているとの情報がある。加藤社長の健康不調により、「三者協議」(半年ごと)に数回欠席しており、議事が滞っている。

 いま国は当然のこと、カネミ油症被害者、支援者、その周りの人々は、「カネミ倉庫」の今後の動向に関して、”息をひそめ”たまま、全く触れようとしていない。しかし遠くない未来において、溜まりに溜まった”漿液”は皮膚を破って流れ出すに違いない。

 カネミ倉庫は一民間企業であり、その民間企業の盛衰にカネミ油症被害者の”命と健康”が委ねられているという”歪な状態”がいつまでも続くわけがないからだ。ぜひ”漿液”が破裂する前に、手を打たなければならない。問題は簡単ではないが、もう気づいている方々と力を合わせたいと思います。
     
                                              映画監督 稲塚秀孝

すべてのカネミ油症被害者救済のために(65)


 ~カネミ油症被害者救済プロジェクト~

 私のパソコンの不調により、しばらく通信ができず、申し訳ありませんでした。ようやく回復いたしました。

 すでにお伝えしたように、YSC(カネミ油症支援センター)と国会対応について、7月26日に協議を行います。そこでこれまで「母と子の絆~カネミ油症の真実」製作委員会と「へその緒プロジェクト」として活動していましたが、今日7月15日から「カネミ油症被害者救済プロジェクト」の名前で活動を継続することにいたしました。中心は、藤原寿和さんと私、稲塚ですが、今後活動内容により、新たな仲間を迎えられたら、と思います。

 今日はこれから福岡に向かい、メディアの方と面談し、明日は「ありらん文庫」で映画上映会を行い、私がお話をさせていただきます。終了後長崎へ移動し、「二重被爆 遺族友の会」設立と「第7回ナガサキ映画と朗読プロジェクト」(7月19日・20日)を実施いたします。先日11日に長崎新聞に1000字ほどの投稿をしましたが、まだこのHPにあげられていませんが、近日中にご覧いただければと思います。

 なお参議院議員選挙を終えた、8月に入り国会議員事務所との打合せを開始し、秋以降に注力してゆきたいと考えています。

                                              映画監督 稲塚秀孝

「不適切な動画使用」への抗議文

   厚生労働省 健康・生活衛生局食品監視安全課指導係
      九州大学油症治療研究班    のみなさまへ

 「不適切な動画使用」と示唆を受けた「母と子の絆~カネミ油症の真実」製作委員会より、報道における動画使用の件について、見解を求めます。

 6月2日付け厚労省 健康生活衛生局食品監視安全課指導係のHPに掲載された、「三者協議」6月14日実施)の報道に関する文書の中で、突如会議後の”ぶら下がり会見”(通称)において、撮影・録画の禁止が付け加わりました。また6月11日には、「油症対策委員会」(6月13日実施)から、厚労省と同様に撮影・録画の禁止が伝わりました。ただし、翌6月12日に“今回は撮影・録画ができるが、「不適切な動画使用」が見受けられたら、当該チームだけでなく、すべての報道関係者に適用する”旨の連絡がありました。

そこで 「油症対策委員会」後のぶら下がり会見において、中原剛士班長(九州大学医学部皮膚科教授)に「今回取りざたされている”不適切な映像使用”というのは、「母と子の絆~カネミ油症の真実」のことを指しているのですか?」と尋ねたところ、中原班長は「そうです」と認めました。

 そもそも「不適切な動画使用」とは何を指しているのでしょうか?その見解を明らかにしていただきたいと考えます。これまで収集した情報によりますと、当製作委員会製作の「母と子の絆~カネミ油症の真実」を指し、映画内に2024年1月、「油症対策委員会」後の辻 学班長(当時)のぶら下がり会見及び「三者協議」後の原澤朋史課長補佐(当時)のぶら下がり会見の取材映像を使用したことが、「不適切な使用」の根拠であり、同映画のDVD販売が「営利目的であるから」という理由とされているのではないか、と認識いたしました。

 公的会議後の会見の場合、各メディアの方々と同じく、自らの立場を「記録映画『カネミ油症の真実』を製作しているタキオンジャパン稲塚と申します」と明らかにした上で、インタビューを行っており、取材対象(辻 前班長、原澤 元課長補佐)から“インタビューの拒否”を受けたり、“ここはオフレコ(内密で公表しないで欲しい)といった反応もありませんでしたので、通常通り映画内で使ったのであります。

 ぶら下がり会見の内容は、各テレビ局、新聞社の方もそれぞれに放送・紙面に掲載しており、これは真っ当な”報道取材”であると考えております。また記録映画では、劇場公開、上映会と共に、広くDVDを頒布するのは、通常の伝播のための行為であることは、常識的なことと考えられています。

 「営利目的に使われた」という発言が事実とするなら、放送・新聞なども含め、“伝える行為”は憲法で保障されており、掲載権、映像編集権は、製作者側に託されていることと認識しております。そして各メディアはクライアント(スポンサー)や新聞購入者・観客から受け取る“費用=営業費”によって運営されていることは、“自明の理“と考えますがいかがでしょうか?これは一般的な社会的ルールであり、このことを”営利行為“という言葉で断罪することは、全く理解不能な”暴論”と言わざるを得ません。

 そして今回の映画内に編集された内容が、厚労省にとって”不都合な事実“の公開と認識されているのなら、ぜひ“不適切な動画使用”と定義される理由を明らかにしていただきたいと考える次第です。

☆今回の回答期限は、令和7年(2025年)7月18日(金)とさせていただきます。私たちが担っている”伝える行為”は、厚労省及び「油症対策委員会」の意図を、広く日本国民の皆さんに正しく伝えることと自覚しております。今後とも取材における“切磋琢磨”をさせていただければと祈念いたします。

                         2025年6月18日 
                       「母と子の絆~カネミ油症の真実」製作委員会
                        株式会社タキオンジャパン  
                                代表    稲塚秀孝