「へその緒」を預かりました(1月8日)

 本日朝、長崎県五島市奈留の港で、カネミ油症被害者岩村定子さんから、1973年8月に
生まれ、わずか生後4か月で亡くなった長男満広さんと繋いだ「へその緒」をお預かりして
きました。来たる1月12日(金)記者懇談会の場でメディアの皆さまにご覧いただき、報道
して頂きたいと考えています。お預かりしたへその緒は、小さな容器の中に納められ、木箱、
さらにビニールの袋に入っています。

【カネミ油症の被害の実態を後世に伝えなければいけない】

 カネミ油症被害者である下田さん親子にインタビューさせていただきました。
  母・下田順子さん、娘・下田恵さん

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母・下田順子さん

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 私たちは、自然界にはない物質によって、多大な影響を親から子へ、子から孫へ世代を超えて影響を受けているものと思われます。
 小学校での生活が始まってまもなく、倦怠感、頭痛、腹痛、多量の鼻血などの症状が現れました。ひどいいじめにも遭いました。生きていくことに絶望し命を絶とうと思ったことも何度もあります。
 しかし今、ここに私が生きているのはこの被害の実態と、どのように私たちがこのPCBダイオキシン被害と向き合ってきたかを後世に伝えなければいけない。その思いで私は生きることを決意して今に至っています。
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娘・下田恵さん
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 高校生のときに初めてカネミ油症という言葉を知りました。母から聞いたカネミ油症の症状とこれまで自分に出た症状が同じであることに衝撃を受けました。
 カネミ油症を知らない方々が多くいます。知らなければ理解をすることもできません。
カネミ油症を知らない世代に伝えていくこと、社会からカネミ油症を変えていくこと。そして、差別と偏見をなくして、皆さんが笑顔で暮らしていくことができる社会にしていきたいと思っています。
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 下田順子さん、恵さんご協力をいただきありがとうございました。半世紀以上たっても続くカネミ油症事件の真相を伝え、被害者救済の道をつくるため映画「母と子の絆~カネミ油症の真実」の製作を進めています。ぜひともご支援をいただけますと幸いです。
 https://congrant.com/project/yusho2024/9712
・目標金額:1,000万円
・期間:2023/12/20〜2024/02/29

「へその緒プロジェクト」宣言!

 皆さま 新年あけましておめでとうございます。

 映画「母と子の絆~カネミ油症の真実」製作委員会の稲塚秀孝です。年明けから本格的に「へその緒プロジェクト」を展開します。

 今から56年前に起こった「カネミ油症事件」。その被害者が次世代に拡がっています。母から子へ、そして孫世代へ。PCB(ポり塩化ビフェニール)の毒性を繋いでいるのが「へその緒」なのです。「へその緒」を通して子に、孫に毒性が及んでいることに着目し、「カネミ油症被害者」の確定と救済につなごうとする取り組みを進めて行きたいと思います。

 何が起こったのか?を記録し、告発するのが、ドキュメンタリー映画の真髄ですが、この映画では、「へその緒プロジェクト」と共に、カネミ油症被害者に寄り添いながら、製作を行います。

 提案型の映画製作活動に皆さんからのご支援、ご協力をお願いいたします。現在映画製作支援のクラウドファンディングを実施しています。https://congrant.com/project2024/9712   からお願いいたします。

                                     映画監督 稲塚秀孝

2024年1月「へその緒プロジェクト」発信!

 昨日(12月28日)に「カネミ油症被害者全国連絡会」事務局長の三苫哲也さんのコメントを
発信いたしましたが、三苫さんとは3年前から取材を通じて交流を重ねてきました。

 今回「へその緒プロジェクト」を始めるにあたり、福岡地区の被害者の母親の方々に「へその緒」
の提供を呼び掛け、1月12日に行う全国連絡会の検討会の場で、全国の皆さんに呼び掛けて下さい
ます。とてもありがたいです。三苫さんは母親から「へその緒」を通して、ダイオキシン類の毒性
を受け継ぎ、少年のころは脆弱で、時には強い下痢症状におそわれた経験をお持ちです。

 東京で教科書の出版社勤務の後、福岡に戻り、病院で医療従事者の支援の仕事を続けています。
実は三苫さんが勤めていた出版社には、二重被爆した故 山口彊さんを教科書に掲載していただい
ている”縁”がありました。

 1月12日(金)午前、福岡市役所議会棟の部屋で、「へその緒プロジェクト」の記者懇談会が開か
れます。カネミ油症被害者の母と子を繋ぐ「へその緒」は今回の映画の最大の訴求ポイントです。
皆さま、ぜひ年明けからの展開にご注目下さい。
                                 映画監督   稲塚秀孝

今の社会の発展の裏側に何が起こったのかをしっかり残さなければならない

 カネミ油症被害者全国連絡会事務局長 三苫 哲也 さんから、映画『母と子の絆〜カネミ油症の真実』製作にあたっての応援メッセージをいただきました。

 カネミ油症事件は誰の身にも起こり得る公害で、安心だと思って食べてるものに猛毒が入っていたという事件です。

 この事件自体はもう50年も経って風化もしつつあるんですけれども、当時、他にもアスベストや原子力発電などいろんな夢の化学物質が出てきて、私たちの暮らしがより豊かになってきたというのも事実だと思うんです。

 ただこの僕たちの今の社会の発展の裏側に、何があったのかということはしっかり残しておかなきゃいけないと思います。

 現代社会においても、例えばマイクロプラスチックや化学繊維を食べた魚を僕たちがまた食べて、いつのまにか僕たちの体にもまたそういうものが蓄積されているような状況がある中で、現代の私たちの社会問題としても捉えられると思いますので、ぜひ映画の製作にご協力いただいたり、映画ができた暁にはぜひご覧いただきたいなと思っています。よろしくお願いいたします。

2024年1月、「へその緒プロジェクト」始動❗


 既にHPでお伝えしている「へその緒プロジェクト」が1月に始動します。
1月12日午前、カネミ油症を取材して来られたメディアの記者の方々と記者懇談会を企画しました。
「へその緒プロジェクト」から参加するのは、宮田秀明さん(摂南大学名誉教授)と藤原寿和さん
(カネミ油症被害者支援センター・初代事務局長)です。
 宮田さんは2007年から、カネミ油症被害者のへその緒におけるダイオキシン類の検査を行い、
2009年「福岡医学雑誌」に報告しています。年内に詳細をお伝えします。
                             12月26日 映画監督 稲塚秀孝

映画最大のポイント「へその緒」について

 母から子へダイオキシン類の毒性が繋がったことの証明となる「へその緒」の検査を徹底させ、被害者の認定制度を糺したいと思っています。稲塚監督から本映画の鍵となる「へその緒」に関する研究についてコメントをいただきました。▽動画はこちら

 1968年に主に西日本で発生したカネミ油症事件。様々な障害・被害が起こりましたが、その後お母さんの母体からお子さん・孫へとそのダイオキシン類(PCDF)の毒性がつながったことが、今問題になっています。

 事件発生から50年以上経っていますが、いまだこの問題は解決していません。本映画の製作にあたっては「へその緒」を調べることによって、今に至るもダイオキシン類の毒性があるということを証明したいと思っています。

 母から子へダイオキシン類の毒性が流れたことの実証こそ、この映画を通じて皆さんに知ってほしい最大のポイントであり、被害者の認定制度という欺瞞を抜本的に糾すことにつながります。この点こそが、本映画の”社会的意味”であると確信しています。

 映画製作にあたってはクラウドファンディングを実施中です。半世紀以上たっても続くカネミ油症事件の真相を伝えるため、映画「母と子の絆~カネミ油症の真実」の製作にご支援をお願いいたします。 
★クラウドファンディング★実施中(12月20日~2月29日)・目標金額:1,000万円

「へその緒」とは何だろうか?

 「カネミ油症事件」発生は1968年。九州大学油症治療班が、「へその緒」の検証をしたのは、
2007年以降で検証報告は2009年でした。事件発生から数年後には、原因物質がPCB(ポリ塩化
ビフェニール)と言われていたので、当然被害者が女性の場合、体内に蓄積した毒性物質が
「へその緒」を通じて、胎児の体に送られることは容易に理解でできたはずである。

 では「へその緒」とは何であろうか?「胎児は胎盤を通して母側から酸素や栄養分を受け取り、
老廃物を母体側に渡し、胎児と胎盤を繋いでいるのが臍帯、つまりへその緒である。概ね太さは
2㎝、長さは50~60㎝の管状である。」

 今こそ「へその緒」の検証・鑑定することで、ダイオキシン類は母親から子に繋がっている
証明を求めたいと考えている。そして認定、未認定に峻別される不条理を粉砕し、幅広く被害者
救済を国にさせたいと願っています。 
                               映画監督   稲塚秀孝

なぜ、”今“「へその緒」なのか?

 1968年に発生した「カネミ油症事件」は単なる食中毒事件ではありません。普段見聞きする
食中毒は、夏場のお弁当やこの夏は「流しソーメン」の機材の衛生環境から、実際に食した、口に
入れた皆さんが、下痢や嘔吐などを繰り広げるものですが、当事者の健康が回復すれば、収まる
傾向のものです。ただ「カネミ油症」では、「カネミライスオイル」を口にした母親から子や、孫
に、ダイオキシンの毒性が伝達されて、障害が起きていることに、特異性があります。

 九州大学油症治療班は、事件発生から40年経過した2007年~2009年にかけて、へその
緒を集め、検査をしました。そして2009年5月発行の「福岡医学雑誌」で2たつの報告が掲載
されています。

 一つは九州大学と福岡県保健環境研究所のチーム。もう一つは摂南大学薬学部宮田秀明教授を
中心としたチームです。その頃、ある新聞では「カネミ油症 胎児期汚染を証明」と見出しに書か
れています。しかしそれ以来15年間、「へその緒」調査は一向に進んでいないのです。

 「母と子の絆」である「へその緒」の徹底調査こそ、カネミ油症が次世代に及ぼす甚大な影響を
考察できる大きなツールであると思います。近々ご報告を続けます。
                                映画監督   稲塚秀孝

「へその緒」を検証することが急務

 「カネミ油症事件」発生から55年経過した今、改めて母親から子や、孫にPCB(ポリ塩化ビフ ェニール)の毒性が繋がった「へその緒」を検証することが急務です。

 これまでも九州大学油症治療班では、2009年の「福岡医学雑誌」に報告していますが、なぜかその後「へその緒」について、蔑ろにされてきています。こちらは長崎県在住のカネミ油症患者が保管する「へその緒」です。一度九州大学の検査後、返還されたもので、微量しか残されていません。1973年に誕生した男児と繋いでいた「へその緒」ですが、生後4カ月で亡くなりました。女性は今も訴えます。「息子がカネミ油症で口蓋口唇裂などで亡くなったことを証明してほしい」と。

 今もこの「へその緒」は木箱に収められ、大事に神棚に載せられています。こちらがカネミ油症事件の原因となった「カネミライスオイル」の1升瓶と一斗缶です。 
                                映画監督    稲塚秀孝
【参考資料】
油症被害者の次世代以降の子孫を対象とした汚染実態を究明するための「保存さい帯(へその緒)」
 試料の有効性
 (摂南大学名誉教授 宮田 秀明)

    カネミ油(一升瓶と一斗缶)