「カネミ油症」編集通信⑫

~覚悟は決まった!~

 明日から博多へ向かいます。手元にある資料を読みながら、
最終編集に臨む“覚悟”を決めようと考えています。

 今日は昼に、霞が関へ出かけ、厚生労働省前で外観撮影をしました。
昼ごはん時ですから、職員の方々が表に出てきます。
勿論知人も友人もいません。
皆さん、”役に立つ仕事”をしていると考えているに違いありません。

 でも、どうでしょうか?
「母と子の絆~カネミ油症の真実」では、“応分の責任”を問うています。
56年経過して、いまだにカネミ油症被害者を救済できていないのか?
そこには大きな”闇“と”謎”があるのです。

 国=厚生労働省、原因企業のカネミ倉庫、九州大学を始めとする医師、研究者
そして有効な手を打てなかった支援者の方々、皆さんに“応分の責任がある”と
問いているのです。
しかし、まだまだこれからです。

 最後に映画をご覧になる皆さんへ。
まだまだこれからできることがあると思います。
〝勇気と力“を出してください、と。

   映画監督        稲塚秀孝

映画「母と子の絆~カネミ油症の真実」東京先行上映会案内

 映画「母と子の絆~カネミ油症の真実」、
いよいよ映画製作も大詰めとなりました。
 本年10月公開を前に、「先行上映会」を東京・大阪で開催いたします。
【東京・先行上映会】
 日時:2024年9月20日(金)14:00から上映(開場13:30)
 場所:文京区民センター3A会議室(収容:470名)
 参加費:一般1000円プラスカンパ(お願いいたします)
    学生 500円
 主催:「母と子の絆~カネミ油症の真実」製作委員会
 問合せ:タキオンジャパン稲塚(090-3433-6644)

※大阪・先行上映会は、決まり次第ご案内いたします。
 なお福岡では、試写会として開催予定です。

「カネミ油症」編集通信③

~編集は生き物・日々変化する~
 7月7日から博多に編集拠点をおきました。
博多駅からバスで30分、三宅本町下車で徒歩3分。
映像製作会社の一角で、始まりました。
 今日は4日目。
約3年間の撮影素材を見直し、まずブロック編集から。
毎日9時から19時をめどに行います。
合間に奈留島のドローン映像や過去の映像の検索・交渉、
追加取材の段取り、ナレーターの手配など、やることは山積して
います。時間に追われて、見落としがないか?気にかかります。
 今晩遅く「太古丸」というフェリーで五島列島に向かいます。
明日五島市玉之浦、明後日は五島市奈留で「カネミ油症被害者」の
一斉検診(年1回)が行われますので、取材とインタビュー。
天候は今一つですが、実景も撮影したいと思います。
船中と奈留の「宮の森キャンプ場」のバンガローの2泊となります。
12日から編集再開です。
               映画監督 稲塚秀孝

「カネミ油症」編集通信②(7月8日)

朝日新聞 福岡本部  御中

 お世話になっております。

 映画「母と子の絆~カネミ油症の真実」の編集に昨日7月7日から博多市内で始めました。今回編集拠点を博多に置いたのは、追加取材を適宜行うためでもあります。7月10日~12日は、福岡市内、五島市玉之浦、奈留の一斉健診などの取材を行い、8月10日頃までに、完成させたいと考えています。関係者向け試写会は、9月半ば、全国公開は10月12日から順次行う予定ですので、改めてご案内申し上げます。

 一方「へその緒プロジェクト」については、岩村定子さんの3人のお子さん(故 長男満広さん、次男、長女さん)のへその緒を関西・四国の検査会社2社(共同で取り組み)に託しました。検査結果(9月初めと想定)が出次第、また途中経過を随時お伝えしてまいります。引き続きよろしくお願いいたします。
        タキオンジャパン 稲塚秀孝090-3433-6644 inazuka@takionjapan.onamae.jp

「カネミ油症」編集通信①

 今日(7月7日)から「母と子の絆~カネミ油症の真実」の編集が始まります。しかし、まだ撮影取材を続けたいと思っています。そこで今回は編集拠点を福岡県博多におくことにしました。博多にある映像技術会社の一角で行います。

 ドキュメンタリー映画の編集は、あらかじめ立てた構成案を基にしながら、映像を確認しながら、どんどん変化を重ねて行くものです。ですから編集が始まる直前では、ワクワク感がいっぱいです。最終的な映画の完成見込みは8月10日頃。どんな展開となるのか?大きな楽しみでもあります。

 とことん悩みながら、どのように映画ができるのか?皆さんにお伝えしてゆきたいと思います。ほぼ毎日、編集通信を発信、更新して参ります。どうぞよろしくお願いいたします。

    映画監督  稲塚秀孝

「カネミ油症」編集通信①

 今日(7月7日)から「母と子の絆~カネミ油症の真実」の編集が始まります。しかし、まだ撮影取材を続けたいと思っています。そこで今回は編集拠点を福岡県博多におくことにしました。博多にある映像技術会社の一角で行います。

 ドキュメンタリー映画の編集は、あらかじめ立てた構成案を基にしながら、映像を確認しながら、どんどん変化を重ねて行くものです。ですから編集が始まる直前では、ワクワク感がいっぱいです。最終的な映画の完成見込みは8月10日頃。どんな展開となるのか?大きな楽しみでもあります。

 とことん悩みながら、どのように映画ができるのか?皆さんにお伝えしてゆきたいと思います。ほぼ毎日、編集通信を発信、更新して参ります。どうぞよろしくお願いいたします。

    映画監督  稲塚秀孝

「へその緒プロジェクト」通信(51)


~へその緒検査に着手、新たなステージへ~

 6月20日、長崎県五島市奈留に住む岩村定子さんから、3名のお子さんのへその緒を預かりました。 既に通信において、6月22日の三者協議(福岡県合同庁舎)後の、ぶら下がり会見で厚生労働省健康・生活衛生局の原澤課長補佐にへその緒を示したことは、既報通りです。そして6月25日に京都にある検査会社の幹部の方と面談し、へその緒を託しました。その後、岩村さんにもお伝えしたところです。検査が速やかに行われるかは否かについては、7月1週まで待つこととなりました。

  九州大学油症治療班は、へその緒を検査し。母体から胎児に毒性性が示唆したことは、2009年5月発行の「福岡医学雑誌」における2つの報告で明らかになっています。一つは長山淳哉准教授、検査技師の梶山淳睦氏(福岡県保健環境研究所)が関わったもの、もう一つは摂南大学 宮田秀明教授(現在名誉教授)のグループの報告です。さらに2013年頃には、故 月森清巳医師(福岡こども病院)らの研究報告で、母体から胎盤を経て胎児へ、かなり高い濃度で毒性物質移行の実態が明白になっています。

 ここでいくつかの疑問が湧出いたします。
1. カネミ油症事件が明らかになり、「黒い赤ちゃん」が次々と生まれてきたことから、へその緒により、毒性物質の移行が推定されたにも関わらず、40年近く研究がなされなかったことは何故か?
2. 母体から胎児へ高濃度の毒性物質移行が明らかになって(2010年代)から、なお10年以上「へその緒」研究と検査が行われなかった理由は何か?
そして、カネミ油症研究と治療対策の責任者、班長が、皮膚科教授が代々担当しているのは何故か?(今年4月から、中原剛士皮膚科学教授が班長に就任)
今からでも遅くないので、へその緒については産婦人科他の分野の医師が前面に出るべきと思うのですが・・・。

  まもなくこの映画は編集に入りますが、“一つ一つの疑問”を明らかにしていきたいと考えています。

    映画監督 稲塚秀孝

「へその緒プロジェクト」通信㊺

 ~自主上映会を開きましょう~

 昨日(6月4日)、名古屋にてカネミ油症被害者の方のお話を取材しました。
私と同じ昭和25年生まれの女性です。17歳の時、カネミ油を家族5人で口にしています。
長崎県は海が素敵です。海の恵みの魚を天ぷらにするのは基本だったと言います。
23歳の時から5人のお子さんを産み、最初の3人は毎年生まれました。

 カネミ油症の症状は、長女に激しく現れました。後年「同居家族認定」で
カネミ被害者になったのは、本人だけ。毎年国の一斉検診を受けても、お子さんたちは
未認定のまま、です。後日長女のYさんとのへその緒をお預かりし、民間調査会社に
持ち込みます。サクサクと明るい語り口ですが、ふと辛かった過去を思い出して、
涙されていました。

 「母と子の絆~カネミ油症の真実」は全国の劇場で10月から順次公開しますが、
自主上映会も開始します。かつて2011年に「チェルノブイリハート」を配給した時は、
全国250か所で上映会を開催できました。新聞記事を見た各地の主婦の方から携帯電話に
連絡が来ました。「上映会を開くのは初めてですが、上映会までの進め方を教えて
ください。お友達に連絡します」という内容でした。

 次回、自主上映会の案内を掲載いたします。
                        映画監督   稲塚秀孝

「へその緒プロジェクト」通信㉟

~ドキュメンタリーは”告発”である~

 この信念のもとで、2006年から映画製作を続けてきました。

 では、何を”告発”するのか?それは取り上げるテーマや取材の中身に
おいて、さまざまと言えると思います。
告発する対象が、国家、企業、国家観、無垢と呼ばれる人々、そして
自分自身。何も決まりはありません。

 今回の「母と子の絆~カネミ油症の真実」においては、大きくとらえると
”組織と個人“ではないかと思います。国=厚生労働省、アカデミズム=九州大学
を頂点とする九州における学問と研究閥、支援するべき人々=例えば弁護士集団、
そして被害者を支援する人々・・・・。カネミ油症事件発生から56年。

 そこに共通するのは“無作為”ということだろうか?
もちろん映画製作をする私たちが”正義”とは言えない。
家族を守るために、あえて家族に「カネミ油症の真実」を伝えない事例に出会った。
“仮払金“返済を国から迫られた時、家族を守るため、守り切れずに、命を落とす”不条理“。
”カオス“のような現実を見つめながら、残り数カ月の製作に取り組みたいと思う。

 今日、映画製作チラシ第3弾が出来上がりました。
皆さんに見てほしいと思います。
                    映画監督    稲塚秀孝

「へその緒プロジェクト」通信㉞

~取材することと取材される側のこと~

 数日前から北海道苫小牧市の事務所で、これまで撮影した映像素材の
整理を行っています。週明けには帰京して、新たな撮影に備えます。
何が撮影できて、何ができていないか?
本格的な編集を始める前に必要なプロセスです。

 もっとカネミ油症被害者の方々の”声“を聴きたいと思います。
しかし、被害者の方々側の事情もあり、立ち止まることもあります。
「自分(カネミ油を口にした)はいいが、子どもたちや孫のことは守らないと
いけない」この場合、”守る“とは、子や孫に「カネミ油症被害」のことを
伝えない、ということを意味しています。

 新聞や雑誌での報道と違いのは、映像作品(テレビ番組や映画等)では、映像
(つまり顔出し)が原則であるが故に、取材する側も取材される側も、公開される
ことに”同意と覚悟“がいるのです。
取材する側の”伝えたい“と取材される側の”伝えて欲しい“という人間としての
信頼の”絆“が必要になるのです。

 コロナ禍を挟んで、ここまで3年余が経過し、今後3カ月の取材は、さらにその
せめぎあいの中で取材を行う時期に差し掛かりました。
何とか”成果“を得ることで、カネミ油症被害者の救済が進むことを目指したい、
そう考えている日々です。
                           映画監督  稲塚秀孝