猛毒「枯れ葉剤」が全国の山林に…50年前に林野庁が埋没 土砂災害あれば全て流出も【福岡発】

テレビ西日本FNNプライムニュース(2022年5月23日)の記事です。全国の山林に今なお猛毒枯葉剤が・・・。恐ろしい事実です。

全国各地の山林に、猛毒のダイオキシンを含む除草剤が埋められているのをご存じだろうか。実は福岡市民にとって大切な水がめのそばにも埋まっている。流出の恐れも指摘される現場を取材した。・・・
追跡ニュース 記者の目

第7回高砂集会ー新聞報道

12/2(土)、第7回高砂集会が催されました。
場所:ユーアイ帆っとセンター2F(高砂市高砂町松波町440番地の35)
    ※東京、福岡、五島、長崎などの会場とはオンライン(ZOOM)
プログラム
開会あいさつ
各会場からリレーであいさつ
1.PCB 処理現状報告
2.カネカとの最高裁の和解について
3.カネミ油症次世代調査報告についての見解
4.カネミ油症次世代調査報告について被害者が座談会形式で語る
5.カネミ油症被害者の声を聞く
6.福島原発事故被害者からの発言
7.集会声明採択
閉会あいあつ

 すでに当委員会代表副代表の投稿を掲載して言いますが、いくつかの新聞で報道された記事をリンク致します。各社のカネミ油症事件に対する姿勢を伺うことができます。

カネミ油症事件 巡り 五島、長崎など5会場で全国集会 「PCB次世代問題生んだ」 | 長崎新聞
 PCBの製造企業のカネカが過去の裁判で原告団と和解後、被害者との対話を拒否。
 「製造禁止になるまでPCBを増産し続けた結果が今に至る子や孫の問題を新たに
 生み出した」と企業責任を訴えた。
「カネミ油症」被害考える 兵庫で集会 福岡はオンラインなど /福岡 | 毎日新聞)
食品公害「カネミ油症」被害者ら、高砂で集会 製造したカネカの責任を議論/神戸新聞
カネミ油症55年経っても続く苦しみ 兵庫で患者らが集会/朝日新聞
●/読売新聞
 兵庫県高砂市の会場では渡部道子さんが、「長崎県奈留島で、12歳でカネミ油を口に
 してから長年、病気に苦しみ、産まれた子どもの体が弱かったこと、カネミ油症が過去の
 話ではなく、同じようなことが起こるかもしれない、これからの子どもたちのためにも、
 救済を求め続けたい」と訴えた。

(追記)
長崎放送のネット記事は衝撃的です。
父親が食べた毒も子供に影響か 半世紀前の食中毒「カネミ油症事件」

第7回高砂集会

 本日13:30から、第7回高砂集会【PCB(ダイオキシン)の健康被害は世代を超えた~カネミ油症の責任を負うべきは誰 か?~カネカの社会的責任を問う】が高砂、東京、福岡、長崎(本土)、五島会場を繋いでリアル参加とオンライン参加のハイブリッド集会が開催されました。

 私は『PCB廃棄物処理事業とカネカの責任』の演題で5分でしたが、カネカ高砂工業所に保管されているPCB高濃度廃棄物と低濃度廃棄物の処理状況について報告を行ないました。

 低濃度廃棄物の処理期限は2027年3月31日までで、高砂工業所内には457トンがまだ保管されていますが、高濃度廃棄物については、今年中にJESCO(中間貯蔵・環境安全事業株式会社)大阪と北九州に搬送が完了し、高砂工業所内には保管量がゼロとなりました。

 しかし、このPCB廃棄物の処理をめぐっては、以下のような問題点があることを指摘しておきました。
・PCB製造者の責任を問う法律がない⇒製造者のカネカは基金への拠出のみ
・PCB廃棄物処理特措法はPCB廃棄物の実を対象⇒高砂PCB盛立地をはじめPCB汚染土壌は対象外
・PCB廃棄物処理特措法はPCB廃棄物保有者のみを対象・PCB処理の過程で事故や漏洩を発生
・PCB処理の遅れ⇒大型トランスや安定器など処理困難な廃棄物処理の遅れ(カネカ等)


                                     (藤原寿和)

第18回水俣病事件研究交流集会

2024年1月6日(土)、水俣市エコネットみなまたで、第18回水俣病事件研究交流集会が開催されますが、タキオン・ジャパン製作中の記録映画『母と子の絆~カネミ油症の真実』の製作について、製作実行委員会事務局長で日台油症情報センター長の藤原が発表します。

新著『記者狙撃 ベトナム戦争とウクライナ』

 私は、かつてPCBを製造して販売した結果、販売時にPCBの毒性について、特にその生成過程や熱媒体としての加熱過程で、猛毒のダイオキシン類を副産物として非意図的に生成することを知りながら、販売時に説明責任を果たさなかったカネカの責任を問うために、株主になって株主総会でその責任を社長に問い掛けていますが、そのPCBを製造していたカネカの高砂工業所には、カネミ油症の主たる原因(病因)物質であるジベンゾフランを生成することが判明している水銀式苛性ソーダ製造の電解装置がかつて操業していたことを、これまで問題としてきました。

 この度、花伝社から発行されたフォトジャーナリストの中村梧郎さんの新著『記者狙撃 ベトナム戦争とウクライナ』の中で取り上げられていることがわかりました。そのページを紹介させていただこうと思います。

 この中に出てくる「鐘淵化学」とは、テレビや新聞で宣伝がされている「カガクでネガイをカナエル会社」の㈱カネカのことです。カネカの高砂工業所の操業当初に導入されたこの電解装置は、戦前に台湾の台南市安順に当時の海軍大臣の名で、毒ガスの原料にするための塩素や臭素や苛性ソーダなどを海水からセイゾアしていた電解装置の一部を高砂工業所に移設して稼働させていたものです。その台南の工場は、鐘淵曹達工業台南工場(安順工場)と称され、その工場跡地は水銀とダイオキシン類(ジベンゾフラン)で土壌が汚染されていることが戦後に判明して、半世紀以上だった現在も土壌汚染の無害化処理が行われています。

 この跡地を私は3回視察見学を行って来ていますが、その内の1回は、中村梧郎さんそして摂南大学名誉教授の宮田秀明さんとご一緒に伺っています。ですので、カネカ高砂工業所にある電解装置でカネミ油症の原因となったジベンゾフランが生成して汚染をもたらしてきた可能性を否定できないと考えております。いずれ白黒をはっきりとさせたいと思います。(藤原寿和)

母はカネミ油症被害者、私や子の健康は? 低体重出生、アトピー体質、心臓検査…苦しみ「何世代も」


 発生から半世紀以上たってもなお被害の全容が見えない食品公害「カネミ油症」。23日には全国油症治療研究班が、被害者の子や孫らに先天性異常の口唇口蓋裂が生じる割合が一般よりも高いなどとする調査結果を報告。直接油を食べた世代だけでなく、次世代への健康被害が示された。(神戸新聞HP 2023/6/24 )

PCB(ダイオキシン)被害は世代を超えた

カネミ油症事件の発生から55年が経過していますが、未だに被害者患者さんたちが求める恒久救済対策は実現しておらず、事件当初に食品衛生法の厳格な適用を怠った国の法的責任も.病因物質のPCBの製造者である現・カネカの社会的・道義的責任も貫徹していません。

このことをめぐって、今年で7年目になりますが、PCBを製造したカネカの高砂工業所がある兵庫県高砂市で集会が開催されています。今年はチラシにあるように、12月2日(土曜日)の13:30から「ユーアイ帆っとセンター」で開催されます。オンライン参加も可能ですので、ご参加をよろしくお願いします。
(藤原寿和)

カネミ油症次世代調査/3者協議

カネミ油症次世代調査 
「口唇口蓋裂」の発生 次世代で高い傾向 研究班「因果関係言及難しい」

 2023.6.23の長崎新聞の記事を転載します。

 長崎県などで広がったカネミ油症の被害者の子や孫ら次世代への健康影響調査を進めている全国油症治療研究班(事務局・九州大、辻学班長)は23日、先天性疾患の一つ「口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)」の発生率が次世代で高い傾向にあると報告。

 ただし「この結果だけで油症との因果関係に言及することは難しい」とした。油症の主因ダイオキシン類の親の血中濃度と次世代の自覚症状との比較では、現時点で統計学的な差は出ていないという。引き続き客観的な情報を集め、解析を進める。

 福岡市内で開いた被害者団体との会合で報告。ダイオキシン類は汚染油を摂取した母親の胎盤や母乳を通じ、子や孫に移行した可能性があるが、これまで公的な実態把握はされてこなかった。調査は国が費用を拠出し、研究班が認定患者の子や孫を対象に2021年度から進めてきた。

 報告によると先天性疾患について、動物実験でダイオキシン類の影響が報告されている口唇口蓋裂と心室中隔欠損症に着目。口唇口蓋裂は次世代と一般人口との発生率を比較し、統計学的に次世代が高かった。心室中隔欠損症は明確な傾向がなかった。

 次世代油症被害の解明にはまだ至っていないことから、被害者側からは落胆の声が聞かれた。辻班長は「統計学的には解析可能なデータが手に入っている。次世代の健康状況をより明確に判断するため調査を進める」と話した。次世代の血中濃度の数値などを加味した解析結果は来年2月に報告する予定。 
                                
3者協議
 翌24日、カネミ油症の被害者団体と国、原因企業のカネミ倉庫(北九州市)による3者協議が福岡市で開かれました。
2023年6月25日yomi.dr.
カネミ油症患者の子や孫ら、「口唇口蓋裂」の発生率高く…
早期の患者認定要望に厚労省「今後も解析」


テレビ報道
 TBSが報道特集として報道しました。
TBS NEWS DIG Powered by JNN
“黒い赤ちゃん”その後も・・・カネミ油症、次世代が訴える症状【報道特集】
NHK [ザ・ライフ]
【カネミ油症・子どもたちの苦しみ】毒の油を口にした家族は・・・今も続く”食品公害”
※10年前に既にNHKではこの事件を「毒と命~カネミ油症 母と子の記録」と題して
  特集報道しています。

日本・台湾における油症事件とPCB・ダイオキシン汚染

2023年10月12日、及び11月2日、当会の藤原寿和副委員長が日本の三大食中毒事件を考える写真展・講演会で講演いたしました。この講演会(11月2日)に神奈川県選出の立憲民主党の衆議院議員で小児科医の阿部知子さんが参加をしてくださり、最後にご挨拶をいただきました!阿部さんは以前からカネミ油症事件には親身にご相談に乗ってくださり、長崎県五島にも行かれて被害者にもお会いになられたり、超党派での油症被害者救済に取り組んで来られています。
講演資料:日本・台湾における油症事件とPCB・ダイオキシン汚染
(朝日新聞の写真展の取材にも応じました)