臨時国会では、今日から参議院予算委員会が開かれ、明日以降も続けられる見込みです。この臨時国会の”主目的”は、補正予算に向けた議論が中心ですが、長く与党・自民党の振る舞いにより、”政治的空白”があったことと、高市政権の今後の国政運営の姿勢を問うことがポイントと言えます。
ここまでの論戦を見ると、高市総理はまるで“独善的な人物”であると分かり、政治家として、国民の生活と福祉に寄与できるようなバランスを持ち合わせていないことがわかります。
「カネミ油症被害者救済プロジェクト」としては、被害者救済に向けた道を開くために、”国会質問”の場を待ち望んでいます。
11月14日には、厚生労働省健康・生活局食品監視安全課に提出した6回目「要請書」の回答期限が参ります。明日13日夜にも、”回答督促”のメールを送るところです。今回の「要請書」のポイントは4つ。
①カネミ油症被害者の認定のための”診断基準”に”法的根拠がない”ことが 明らかになっており、事件発生(1968年)から60年間、被害者の”認定””未認定”を実施していた責任は重いと考えています。現行の診断基準を、即時撤回し、白紙とし、新たな被害者の”基準”作成 に取り掛からなければなりません。
②今から20年前の2007年に長崎県五島市の中尾郁子市長(当時)がカネミ倉庫の加藤大明社長に面談し、「五島市が立て替えている”カネミ油症被害者の医療費”の支払いを迫りましたが、カネミ倉庫は今も未払いのままです。積みあがった未払い額は、20億円を越えていて、他の自治体も同様です。今こそ、国(厚生労働省)が、被害者救済に向き合わなければなりません。
③「不適切な映像使用」 に関する件。
映画「母と子の絆~カネミ油症の真実」において、厚労省と九州大学(油症 治療研究班)との”関係性”について描いたことが「不適切な映像使用」と言いがかりをつけられ、6月14日の「三者会議」後の記者会見(厚生労働省・農林水産省)の撮影・録音が一方的に禁止されました。開かれた記者会見の取材・編集・公開を阻止したことに対し、撤回と謝罪を求めています。
なお次回の「三者協議」は、2026年1月24日に予定されています。
④カネミ油症被害者の救済に向けて。
被害者の新たな”基準”を提案しました。この基準案についての回答を求めています。
今後国会の場において、政府の姿勢と見解を糺し、救済に向けて前進させたいと思います。
2025年11月12日
カネミ油症被害者救済プロジェクト 稲塚秀孝