すべてのカネミ油症被害者救済へ(83)

 ~そろそろ”本当のこと”を言うことに~

 9月21日から始まった”旅”もそろそろ終わりに近づいてきました。熊本・福岡・長崎・兵庫・京都を行き来した中で、いろいろ”収穫”がありました。

 カネミ油症事件から57年。10月12日東京上映会(文京区民センター2A会議室)を軸に、そろそろ”本当のこと”を伝え、最終的にすべてのカネミ油症被害者救済を目指したいと思います。

 長崎県五島市の打合せでは、すでに2007年頃に報道されていた「カネミ倉庫の医療未払い問題」
がなおざりにされて、どんどん金額が積み増していました。国(厚生労働省・農林水産省)はひたすら、一民間企業のカネミ倉庫に押し付けてきましたので、いよいよカネミ倉庫が”破綻”、ギブアップする事態を想定して、国の対応を問う時期になりました。国民の安心・安全を保障するのは、”国の責任”で間違いありません。

 そして国と九州大学が連携(癒着とも言える)した、診断基準(血中濃度50ピコグラム)の”虚妄性”を廃棄しなくてはなりません。そして、毒のカネミ油を食べた父や母から生まれた子や孫で、カネミ油症の重篤な症状を持つ方々には無条件で「カネミ油症被害者」と認めなくてはいけません。そのことを、国会の場で、広く世論に訴えてゆこうというのが、「カネミ油症被害者救済プロジェクト」の
理念であります。

 今から60年ほど前に、作家大江健三郎氏の小説の中で、”本当のことを言おうか”というキーワードがあり、思い出していたところです。

   映画監督  稲塚秀孝

コメントを残す