~”やりたいものがやる”という行動原理~
昨年10月に「母と子の絆~カネミ油症の真実」の全国公開が始まったが、これは「カネミ油症事件」が、1968年(昭和43年)10月10日の朝日新聞報道から始まった時期を考えていたからであった。劇場公開の上映タイミングは、土曜日か金曜日開始と分かれているが、今回は元町映画館(神戸)が10月12日(土)~18日(金)でスタートしている。
そして今年は「市街戦のジャズメン 作家佐藤泰志の衝撃」が、泰志さん没後35年にあたり、故郷シネマアイリスで10月10日からの上映が決まった。偶然2年続けて、10月10日が”メルクマール”となったのである。さらに今日9月1日から次回作「幻のかくめい」(仮題)の編集が静かに始まった。1958年から始まった文化運動「サークル村」と大正鉱業退職者同盟~大正行動隊の闘いを描く作品である。
この欄でも何度か紹介しているのだが、大正行動隊の”行動原理”は、
①やりたいものがやる
②やりたくないものはやらなくていい
③やりたいものはやりたくないものに”強制参加”を求めず、 やりたくないものはやりたいものの”足を引っ張らない”
である。①と②はともかく、③は画期的で、日本の様々な運動体の中で、突出した“発想”が内在している。カネミ油症被害者救済に向けて、私たち=カネミ油症被害者救済プロジェクトは、シンプルにこの”行動原理”を、60年後の今、具体的に展開していきたい、と考えている。10月から始まる「臨時国会」が当面の対象で、そこに”視座”をおいている。」
映画監督 稲塚秀孝