すべてのカネミ油症被害者救済(51)

 ~ここ “北九州”から始まる~

 昨晩は福岡県北九州市黒崎駅前でお話をしました。「母と子の絆~カネミ油症の真実」ダイジェスト版(35分)をご覧いただき、映画製作の経緯と「へその緒プロジェクト」の今後の展開について、50分間。地元の方々14名が参加でした。


 「カネミ油症事件」の原因企業「カネミ倉庫」があり、被害者の方々が多数住む街、北九州はある出席者の言葉によると、”魔界の街“と言われます。国内有数の”暴力団が町を支配“していますが、“もの言えば、唇寒し”どころか、身の危険を感じると言うのです。

 確かに今年1月には、この街の歴史ある映画館で二日間、2回の上映が行われましたが、実に”紆余曲折“がありました。その映画館は、古い市場街の一角にあり、大きな火事で焼失後、復活したのですが、その復活には行政を始め、さまざまな支援があったと推察に難くありません。そうした支援者(団体)の手前、「カネミ油症事件」を扱った映画上映をすんなりと受け入れることは難しかった、と言えるのです。そうした北九州だからこそ、何とか上映活動を続け、カネミ被害者救済に関心をいただく方々を糾合したいと思っています。

 来春には「幻のかくめい」の全国公開を計画しています。1960年前後、黒崎の南、中間市で起こった「サークル村」運動と閉山した大正炭鉱退職者同盟、大正行動隊の闘いを描くドキュメンタリーです。

 昨晩は直方から市民劇場や演劇活動の方も参加されていて、黒崎・中間・直方と“魔界の街”が繋がり、広がりました。私も撮影取材で過去5年間通い続けてきましたが、今しばらくお世話になろうと考えています。これからも“血をたぎらせて”北部九州に通いたいと思います。

          
                              映画監督   稲塚秀孝

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