すべてのカネミ油症被害者救済へ⑯

 ~いくつかの戦略を駆使して~

 2月1日にオンラインで参加した「カネミ油症勉強会」で出たお話について、今少し触れてみたい。
当日は「へその緒プロジェクト」についての経緯と現状報告が中心だったので、かなり絞り込んだ内容となった。あえて私から切り出すことではないけれど、予想される懸念に答えた。

  1. へその緒を持っていない人の救済方法は?

 今回岩村定子さんの3人のお子さんのへその緒から、高いダイオキシン濃度が検出されたことで、ダイオキシン類が混入した両親(いずれかも)から生まれたお子さんに毒性物質が移行することが明らかになったので、別にすべての方のへその緒を調べなくてもいいのではないか?と考えている。
 研究者の方は「へその緒」100例は必要と簡単におっしゃるが、そうならば「へその緒プロジェクト」の私たちではなく、国(厚生労働省)に訴えて欲しい。国がへその緒検査すべきと私は強く思っている。どだい民間人の「へその緒プロジェクト」が資金調達して「へその緒検査」をするのは、”筋違い“のことと言いたい。
 また「へその緒」を持っていない人は、被害者として認められないのでは?と話す研究者がいたが、上記の範疇で対応できるし、では「へその緒」以外で2025年時点でカネミ油症被害を証明できる方法を懸命に探してもらいたいと思っている。

  1. へその緒検査を行ってもダイオキシン濃度が低い場合は?

 これは仮定の話なので、その位たくさんのへその緒検査ができるようになったら、なぜ低いのかを検証すればいいだけの話なのではないか?今、議論することではないように感じるのだが・・。
 しかし“研究者”と呼ばれる方々には、カネミ油症被害者救済を阻害する「応分の責任がある」と「母と子の絆~カネミ油症の真実」のエンディングで語りをいれた。多くの時間と資金を費やした研究成果を、ぜひ行動力に変えて、目に見える形で、被害者救済に力を尽くしてほしい、と切に思います。

       映画監督        稲塚秀孝

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