~カネミ油症裁判の”現実“を読む~
一昨日(15日)からカネミ油症事件の公判記録の一部を読み進めています。福岡地方裁判所、高等裁判所(小倉支部を含む)の判決、訴状、準備書面など22冊が対象です。
準備書面は、原告(カネミ油症被害者)、被告(カネミ倉庫、鐘渕化学工業、国)が、それぞれ自分たちの主張を展開していて、そこまで言うか?とか、何を根拠にしているのか?等、思いがけない主張が見受けられます。特にカネミ油症事件の原因がピンホール説(PCBが脱臭缶のパイプを腐食させた=鐘化に不利)なのか工作ミス説(カネミ倉庫の作業ミスによりパイプに破損)なのか?に注目です。
次に気にかかるのは、1987年3月最高裁で”和解”が成立した経緯についてで、それは改めて調査できたらと思います。いずれにしても「カネミ油症事件」発生から57年が経過しました。こうして過去を検証すると共に、被害者救済のために、何をして行くべきなのか?今更ながら、この事件の”底深さ”を感ぜずにはいられません。
そして、明日18日と19日は、ここ小倉昭和館で「母と子に絆~カネミ油症の真実」の上映が行われます。加害企業と被害者が住むこの街で、映画上映が実現した”意味“を考え、ご覧いただいた方々の声を聴きたいと思います。
映画監督 稲塚秀孝