「カネミ油症」上映通信㉛

 ~じわじわと迫ってゆく~
 今週月曜日(11日)に「へその緒検査報告」(HPトップ記載)を全国でカネミ油症取材で知り合った新聞・放送メディアの記者の皆さん30名に送りました。2日後(13日)には、「へその緒検査報告」(宮田秀明摂南大学名誉教授)を同じく送りました。既に長崎新聞で記事化され、報告内容についての問い合わせが届いています。

 その中で注目は、岩村定子さんの長男、満広さん(1973年生、生後4か月で死亡)のへその緒のダイオキシン類のデータについてです。岩村さんが2013年に九州大学油症治療研究班の古江増隆班長(当時)にへその緒検査を依頼し、2年後に担当した技師、梶原淳睦さんから検査結果がFAXで届いています。その内容は、重篤な症状があったにもかかわらず、カネミ油症の影響ではなく、農薬の成分(PCP)の数値が高いというものでした。岩村さんはこの内容に納得しておらず、2021年からしばしば岩村さんを訪ねた際に、カメラに向かいお話しくださったのです。

 今回わずかに残された満広さんのへその緒を改めて検査したところ、2013年に託したへその緒検査の過程で、農薬の成分が混入(コンタミネーション)した可能性が高いという宮田先生の見解が得られたのです。この事実はとても重要だと思います。改めて皆様に詳しくお伝えしたいと思います。
                                      映画監督  稲塚秀孝

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