「カネミ油症」上映通信㉑

~10月14日東京上映会報告(1)~
 昨日東京上映会2回目が行われ、16名の参加を得ました。秋の天気の休日、うれしいです。長年交流があるメディア文化部記者やカネミ油症映画の監督など、上映後のトークは1時間にも及びました。

 さまざまなドキュメンタリー作品の上映を応援してくださっているTさんは「カネミ油症被害者の方が、顔出しでインタビューに応じていることにビックリした」との感想でした。でも私の”ドキュメンタリーは告発である“では、ごく当たり前なことです。当事者と取材者の信頼関係はとても大事です。唯一父親当人の精子により、お子さんに症状が現れた方のみ、顔出しせず、声はそのままで登場いただきました。

 次に長年読売新聞文化部で、映画、文学批評や賞の選考委員を続いえてきたSさんは、「メディアの責任」について意見をおっしゃいました。映画のエンディングで私は「無策な国、厚生労働省、九州大学を始めとする医師、研究者、弁護団、支援してきた方々には”応分の責任”がある」と告げました。カネミ油症事件において、メディアの責任は重いのです。カネミ油症の原因究明に力を尽くさず、わずか2~3年で担当を外れては、深い記事は書けません。当たり前です。だから平気で“食品公害”とステロタイプな表現に安穏としているのです。

◆「カネミ油症事件」は食中毒事件である。
◆国と九州大学が長年結託した「被害者の認定・未認定」の”罠“にはまったまま、取材したり、記事を書いてはダメだ。そもそも「カネミライスオイルを食べた方、その方らの子や孫は全員カネミ油症被害者であることを肝に銘じないといけないのです。

 次回の東京上映会は、11月30日文京区民センター3C会議室です。

      映画監督     稲塚秀孝

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