「へその緒プロジェクト」通信㊹

~新・カネミ油症基準 宣言へ~

 すでに公表された長崎県庁の文書「故人のカネミ油症認定申請について」
を読み解くことで、「へその緒プロジェクト」としては、カネミ油症の基準を
新たに示したいと考えました。

 2月16日と3月11日(追加)の長崎県への申請に対し、文書では、
カネミ油症の”認定基準“を改めて明らかにしている。これは長崎県の発表だが、国=厚生労働省とその支配下にある九州大学油症治療班の見解であると思われる。

 カネミ油症患者の認定基準は、

1.毎年行われる一斉検診の結果(ダイオキシン類の血中濃度、50%と言われて
いる)によるもの
2.同居家族認定
これは認定希望者がカネミ油症事件当時(1968年)、同居してカネミ油を口に
していたこと

の2点とされていることであるが、これは日本の法律に明文化されておらず、
あくまで国=厚生労働省(九州大学油症治療班を含む)グループの”見解“に過ぎない。
ここはきちんと押さえておきたい。従って、今回「へその緒プロジェクト」として、
このあいまいな”認定基準“にアンチする意味から「新・カネミ油症基準」宣言を表そうと
考えているわけです。

 カネミ油症事件発生から56年が経過し、特に次世代(カネミ油を口にした父親及び母親から
生まれたお子さん、お孫さん)の救済を進めるために「へその緒」の重要性を訴えてきました。
体内のダイオキシン類の数値が、年数の経過とともに減少しているのは否めない事実で、
保存されている「へその緒」の意味に焦点を向けたいと考えています。

 6月に入り、6月21日は九大油症治療班主導の「油症対策委員会」、22日には三者協議
(国=厚生労働省、農林水産省、被害者全国連絡会、カネミ倉庫)を前に、アピール
いたします。現在、研究者、医師の皆さんと検討を重ねている「新・カネミ油症基準」宣言に
ご期待ください。

        映画監督 稲塚秀孝

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