「へその緒プロジェクト」通信㉟

~ドキュメンタリーは”告発”である~

 この信念のもとで、2006年から映画製作を続けてきました。

 では、何を”告発”するのか?それは取り上げるテーマや取材の中身に
おいて、さまざまと言えると思います。
告発する対象が、国家、企業、国家観、無垢と呼ばれる人々、そして
自分自身。何も決まりはありません。

 今回の「母と子の絆~カネミ油症の真実」においては、大きくとらえると
”組織と個人“ではないかと思います。国=厚生労働省、アカデミズム=九州大学
を頂点とする九州における学問と研究閥、支援するべき人々=例えば弁護士集団、
そして被害者を支援する人々・・・・。カネミ油症事件発生から56年。

 そこに共通するのは“無作為”ということだろうか?
もちろん映画製作をする私たちが”正義”とは言えない。
家族を守るために、あえて家族に「カネミ油症の真実」を伝えない事例に出会った。
“仮払金“返済を国から迫られた時、家族を守るため、守り切れずに、命を落とす”不条理“。
”カオス“のような現実を見つめながら、残り数カ月の製作に取り組みたいと思う。

 今日、映画製作チラシ第3弾が出来上がりました。
皆さんに見てほしいと思います。
                    映画監督    稲塚秀孝

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