「へその緒プロジェクト」通信⑫

      どこまでを目指すのか?
 ~「へその緒プロジェクト」のロードマップの道すじ~

 今日の東京の朝の空はどんよりと曇っている。間もなく雪が降る気配、積もるかもしれないという情報が流れている。

「へその緒プロジェクト」を始めてメディアの方々に伝えたのは、昨年12月12日(金)午前に福岡市役所内で行った「記者懇談会」。

記者懇談会(福岡・2023年12月12日)
カネミライスオイル(販売当時の1升瓶)

  当日配布したのは、お話しくださった宮田秀明摂南大学名誉教授が指針として書かれた「油症被害者の次世代以降の子孫を対象とした汚染実態を究明するための『保存さい帯(へその緒)』試料の有効性」のA4で2ページのものでした。かいつまんでお伝えしたい。

◆胎児は環境汚染物質に対する感受性が成人よりも10倍程度高いと推定される
◆カネミ油症の原因物質である残留性の高いダイオキシン類は、原因油を直接摂取した当事者だけでなく、次世代子孫(子や孫)にも有毒性を及ぼす
◆次世代胎児の汚染実態を究明することが極めて重要である
(しかし、被害者の次世代子孫を対象として、出生時における血液の分析が行われていない)
◆「保存さい帯(へその緒)は、新生児の出生時における汚染実態を把握するための最適な試料と考えられる。
◆さい帯の原因油物質濃度は、出産時点での母親から新生児の体内に移行する原因物質濃度を反映しているものと推察できる

 順番に読み進めていただくと、より理解が深まるはずである。この「宮田指針」ともいうべき要旨から、ロードマップを導き出すことにして、ほぼ1週間後の2月11日(へその緒プロジェクト通信⑮)には、「ロードマップ案」を皆さんにお示ししたいと考えています。

 今回は多くのメディアの方々に取材いただき、報道されてきました。今後も積極的に情報提供を行い、最終的には「カネミ油症被害者」全員(認定・未認定を問わず)の救済に向けて行動し、その過程(プロセス)を映画の中でお見せしたいと思います。

                                映画監督  稲塚秀孝

コメントを残す