厚労省と九州大学油症治療研究班の”関係性”
~第22回三者協議から読み解く(3)~
1月12日「油症対策委員会」に続いて、翌日1月13日朝9時30分から
「第22回三者協議」が福岡県第2合同庁舎内で開かれました。
三者協議のメンバーは、
◆国(厚生労働省、農林水産省)
◆カネミ倉庫(「カネミ油症」原因企業、カネミオイル製造会社)
◆被害者団体「カネミ油症被害者全国連絡会」
全14団体のうち、この日は9団体が参加した。
前回の通信⑥で書いたように、この日の三者協議にカネミ倉庫加藤大明社長は、
体調不良を理由に欠席した。昨年6月に加藤社長が発言した
「政府米の保管で余剰金が約1億円あり、被害者団体が求めるなら、支払う用意が
ある。但し、農水省の了解がいるかも」
と話していたことから、全国連絡会は農水省の担当者に迫った。担当者は
「カネミ倉庫が毎年診療費を被害者に払い続けられるのか?見届けてゆく必要があり、
余剰金に手を付けることは考えていない」
全国連絡会側は、
「ではカネミ倉庫がもしも経営不振に陥ったら、、国が肩代わりすることになるのか?」
と質問しても、
「仮定の質問には答えられない」「今後検討する」
など曖昧な答弁を繰り返しているうちに、何の回答も方針も示されないまま、
三者協議は12時30分過ぎに終了となった。
前回の通信⑥で書いたように、この日の三者協議にカネミ倉庫加藤大明社長は、
体調不良を理由に欠席した。昨年6月に加藤社長が発言した
「政府米の保管で余剰金が約1億円あり、被害者団体が求めるなら、支払う用意が
ある。但し、農水省の了解がいるかも」
と話していたことから、全国連絡会は農水省の担当者に迫った。担当者は
「カネミ倉庫が毎年診療費を被害者に払い続けられるのか?見届けてゆく必要があり、
余剰金に手を付けることは考えていない」
全国連絡会側は、
「ではカネミ倉庫がもしも経営不振に陥ったら、、国が肩代わりすることになるのか?」
と質問しても、
「仮定の質問には答えられない」「今後検討する」
など曖昧な答弁を繰り返しているうちに、何の回答も方針も示されないまま、
三者協議は12時30分過ぎに終了となった。
その後記者会見(いわゆるぶら下がり会見)が会議室で行われた。
ここでも「余剰金の処理」に関してメディアの記者から質問が出たが、
農水省の担当者の回答は同じ文言を繰り返すばかりだった。
私は厚労省の担当者に質問を試みた。
「カネミ油症のドキュメンタリー映画製作中のタキオンジャパン稲塚です。
厚労省と九大油症治療班の関係性についてお聞きしたい。
昨日油症対策員会後のぶら下がり会見で、辻班長は、油症班はデータを提
出するが、認定基準の見直しや診断基準などについての提案をする立場になく、
あくまで厚労省に資料を提出しているだけで、発言権は持っていないと
おっしゃっていましたが、ざっくりと言うと厚労省と油症治療班の関係性は
どうなっているのですか?」
記者の皆さんの関心は、まじかに記事を掲載するために、何がこれまでと
違うのか?何が始まるのか、始まらないのかなど、身近の興味と関心を呼ぶ
ための質問となるのは止むを得ない。その点私はやや中長期的な視点で聞こう
と考えたのである。
厚労省の担当官は、あっさりと認めた。
「九大の油症治療班が集め、まとめられた資料をいただいて、今後の政策を
どのようにするか、予算を付けるのかは、私達厚労省の判断と役割だと
考えています」
つまり長年カネミ油症被害者と向き合い、検査を行い、被害者の苦悩や
要望を知りうる九大油症治療班には、何ら問題解決ができない、と言って
いるのである。全国連絡会の方々は、今も九大油症治療班に期待感を抱いて
いるにも関わらずである。
厚労省の担当者は、最後に
「本省と油症治療班はそれぞれの役割分担によって、被害者の方々と向き合っていきます」
と話したが、私にとっては
「それは後の祭りでしょ」
と思わざるを得ませんでした。

タキオンジャパン 稲塚秀孝