「へその緒プロジェクト」通信⑤

  参加拒否からの撤回とカネミ倉庫加藤大明社長不在による波紋
   ~第22回三者協議から読み解く(1)~

 前回お伝えした1月12日「油症対策委員会」に続いて、翌日13日朝9時30分から「第22回三者協議」が福岡県合同庁舎内で開かれました。

 映画「母と子の絆~カネミ油症の真実」製作委員会は、昨年12月27日に厚労省健康衛生局総務課のHPに告示されてすぐ、参加申請を申し込んだ。新年1月4日に厚労省の業務開始後になって、なかなか参加許可の返信がなかった。地元福岡のメディアの記者の方に許可の連絡があったと聞いて、不安になった時、1月11日になって、「報道関係者ではない」という理由で、参加拒否の連絡が入った。

 そこで私は夜のうちに、映画製作委員会の幹事社であるタキオンジャパンは、ドキュメンタリー映画製作12本のうち、8本に文化庁及び日本文化芸術振興会の記録映画補助金を得ていること、民放局のドキュメンタリー番組及びニュース特集を製作している事実を克明に書いたリポートを送り、翌12日(三者協議前日)厚生労働省健康・衛生局総務課指導係に直接電話をしたところ、担当課長は能登地震救援のため、係長はリモート勤務のため不在だったが、男性の担当者に「昨晩送ったメール内容を精査して、明日の三者協議に参加できるようにしてほしい」と伝えた。ギリギリの交渉である。

 年末の申請には、会社名と参加者名で、記者クラブに所属するメディアは、それで十分だったのだろう。その日夕方、ようやく「明日の三者協議の参加はOK」との連絡が入った。当日はそれでも不安だったので、開始1時間前の8時30分には現場に到着。無事福岡県庁の庁舎内に入った。

 三者協議のメンバーは、
◆国(厚生労働省、農林水産省)
◆カネミ倉庫(カネミオイル製造者)
◆被害者団体「カネミ油症被害者全国連絡会」

 全14団体のうち、この日は9団体が参加した。大会議室の参加者が入場すると、冒頭撮影の時間である。今回私は動画撮影に専念し、福岡在住の知人に写真撮影をお願いした。わずか2~3分の間のことなので、手分けしたのである。その時撮影した写真はご覧の通りである。

 その時気付いたのだが、カネミ倉庫隻の真ん中に陣取るはずの加藤大明社長の姿が見当たらない。体調不良のため、欠席というのだ。会議は思いがけないというか、思う通りの展開となった。私達「報道関係者」は別室のモニターを通じて、会議をオンラインで見ることになった。

                                映画監督  稲塚秀孝

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