「へその緒プロジェクト」通信① (1月14日)

 一昨日12日(金)午前10時30分から「へその緒プロジェクト」立ち上げに関する記者懇談会を福岡市役所で行いました。

 カネミ油症被害者のへその緒を検査した経験を持つ宮田秀明さん(摂南大学名誉教授)が次のようにお話しました。

 「胎児期は環境汚染物質や化学物質の影響を受けやすく、胎児は成人に比べて感受性が10倍高いと推定される。子や子孫への影響を明らかにするには、へその緒が有効で、カネミ油症も同様である」と。

 その5時間後、博多駅筑紫口「オリエンタルホテル」3階では、第25回油症対策委員会が開催され、九州大学油症治療研究班辻 学(つじ がく)班長のぶら下がり会見がありました。

 午前の「へその緒プロジェクト」記者懇談会に出席していた記者の質問に対し、辻班長は、「(カネミ油症被害者の)母親の毒性は胎盤にほとんど吸収されて、子には届くのは低い」と述べました。他の記者も尋ねましたが、「へその緒を調べることに意味はない」と言わんばかりの答えでした。

 そこで稲塚は、本日 宮田先生に問い直してみました。宮田先生は、「母親の毒性は胎盤にほとんど吸収されて、子に届くのは低い」ということは全くの間違いです」とのお話でした。
 胎盤では分子量800以上の物質や細菌などは確かに除去されます。高分子のタンパク質はアミノ酸に分解するという消化分解機能があります。消化分解されたアミノ酸を始め、分子量800以下のダイオキシン類、環境汚染物質、脂肪やミネラル、脂肪酸などの栄養素は胎盤を経由して胎児に補給されます。とご返事をいただきました。

 今後「へその緒プロジェクト」では、九州大学油症治療研究班と各メディアに対して、「母親の毒性は胎盤にほとんど吸収されて、子に届くのは低い」ということの誤りを指摘していきたいと思います。 そしてカネミ油症被害者の認定基準が、ダイオキシン類の血中濃度にのみに限定されている事の見直し、「へその緒」の重要性、未認定被害者の救済に向けて活動して参りたいと思います。

                            映画監督        稲塚秀孝

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