2024年1月6日(土)、水俣市エコネットみなまたで、第18回水俣病事件研究交流集会が開催されますが、タキオン・ジャパン製作中の記録映画『母と子の絆~カネミ油症の真実』の製作について、製作実行委員会事務局長で日台油症情報センター長の藤原が発表します。

2024年1月6日(土)、水俣市エコネットみなまたで、第18回水俣病事件研究交流集会が開催されますが、タキオン・ジャパン製作中の記録映画『母と子の絆~カネミ油症の真実』の製作について、製作実行委員会事務局長で日台油症情報センター長の藤原が発表します。

映画製作と並行して、出版化の企画が通りました。カネミ油症の記憶と記録を克明に案内し、映画製作の経緯と経過を伝えます。四六版、190ページ程度を予定し、来年10月の映画公開を前に、来年5月めどで刊行します。 劇場、上映会の他、インターネットでの販売、クラウドファンディングでのリターンとして活用されます。
長年カネミ油症事件に関わってきた藤原寿和(日台油症情報センター)と稲塚秀孝(映画監督)の共著で、資料を駆使して製作されます。予定価格は1500円(税別)で、詳細は2024年1月半ばに当ホームページ他でお知らせします。
PCB(ダイオキシン)被害は世代を超えた~カネミ油症の責任を負うべきは誰か?
カネカの社会的責任を問う集会です。
詳しくはこちらへ⇒カネミ油症被害者支援センター(YSC)
私は、かつてPCBを製造して販売した結果、販売時にPCBの毒性について、特にその生成過程や熱媒体としての加熱過程で、猛毒のダイオキシン類を副産物として非意図的に生成することを知りながら、販売時に説明責任を果たさなかったカネカの責任を問うために、株主になって株主総会でその責任を社長に問い掛けていますが、そのPCBを製造していたカネカの高砂工業所には、カネミ油症の主たる原因(病因)物質であるジベンゾフランを生成することが判明している水銀式苛性ソーダ製造の電解装置がかつて操業していたことを、これまで問題としてきました。
この度、花伝社から発行されたフォトジャーナリストの中村梧郎さんの新著『記者狙撃 ベトナム戦争とウクライナ』の中で取り上げられていることがわかりました。そのページを紹介させていただこうと思います。
この中に出てくる「鐘淵化学」とは、テレビや新聞で宣伝がされている「カガクでネガイをカナエル会社」の㈱カネカのことです。カネカの高砂工業所の操業当初に導入されたこの電解装置は、戦前に台湾の台南市安順に当時の海軍大臣の名で、毒ガスの原料にするための塩素や臭素や苛性ソーダなどを海水からセイゾアしていた電解装置の一部を高砂工業所に移設して稼働させていたものです。その台南の工場は、鐘淵曹達工業台南工場(安順工場)と称され、その工場跡地は水銀とダイオキシン類(ジベンゾフラン)で土壌が汚染されていることが戦後に判明して、半世紀以上だった現在も土壌汚染の無害化処理が行われています。
この跡地を私は3回視察見学を行って来ていますが、その内の1回は、中村梧郎さんそして摂南大学名誉教授の宮田秀明さんとご一緒に伺っています。ですので、カネカ高砂工業所にある電解装置でカネミ油症の原因となったジベンゾフランが生成して汚染をもたらしてきた可能性を否定できないと考えております。いずれ白黒をはっきりとさせたいと思います。(藤原寿和)


カネミ油症事件の発生から55年が経過していますが、未だに被害者患者さんたちが求める恒久救済対策は実現しておらず、事件当初に食品衛生法の厳格な適用を怠った国の法的責任も.病因物質のPCBの製造者である現・カネカの社会的・道義的責任も貫徹していません。
このことをめぐって、今年で7年目になりますが、PCBを製造したカネカの高砂工業所がある兵庫県高砂市で集会が開催されています。今年はチラシにあるように、12月2日(土曜日)の13:30から「ユーアイ帆っとセンター」で開催されます。オンライン参加も可能ですので、ご参加をよろしくお願いします。
(藤原寿和)
①カネミ油症次世代調査
「口唇口蓋裂」の発生 次世代で高い傾向 研究班「因果関係言及難しい」
2023.6.23の長崎新聞の記事を転載します。
長崎県などで広がったカネミ油症の被害者の子や孫ら次世代への健康影響調査を進めている全国油症治療研究班(事務局・九州大、辻学班長)は23日、先天性疾患の一つ「口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)」の発生率が次世代で高い傾向にあると報告。
ただし「この結果だけで油症との因果関係に言及することは難しい」とした。油症の主因ダイオキシン類の親の血中濃度と次世代の自覚症状との比較では、現時点で統計学的な差は出ていないという。引き続き客観的な情報を集め、解析を進める。
福岡市内で開いた被害者団体との会合で報告。ダイオキシン類は汚染油を摂取した母親の胎盤や母乳を通じ、子や孫に移行した可能性があるが、これまで公的な実態把握はされてこなかった。調査は国が費用を拠出し、研究班が認定患者の子や孫を対象に2021年度から進めてきた。
報告によると先天性疾患について、動物実験でダイオキシン類の影響が報告されている口唇口蓋裂と心室中隔欠損症に着目。口唇口蓋裂は次世代と一般人口との発生率を比較し、統計学的に次世代が高かった。心室中隔欠損症は明確な傾向がなかった。
次世代油症被害の解明にはまだ至っていないことから、被害者側からは落胆の声が聞かれた。辻班長は「統計学的には解析可能なデータが手に入っている。次世代の健康状況をより明確に判断するため調査を進める」と話した。次世代の血中濃度の数値などを加味した解析結果は来年2月に報告する予定。
②3者協議
翌24日、カネミ油症の被害者団体と国、原因企業のカネミ倉庫(北九州市)による3者協議が福岡市で開かれました。
2023年6月25日yomi.dr.
カネミ油症患者の子や孫ら、「口唇口蓋裂」の発生率高く…
早期の患者認定要望に厚労省「今後も解析」
③テレビ報道
TBSが報道特集として報道しました。
TBS NEWS DIG Powered by JNN
“黒い赤ちゃん”その後も・・・カネミ油症、次世代が訴える症状【報道特集】
NHK [ザ・ライフ]
【カネミ油症・子どもたちの苦しみ】毒の油を口にした家族は・・・今も続く”食品公害”
※10年前に既にNHKではこの事件を「毒と命~カネミ油症 母と子の記録」と題して
特集報道しています。
2023年10月12日、及び11月2日、当会の藤原寿和副委員長が日本の三大食中毒事件を考える写真展・講演会で講演いたしました。この講演会(11月2日)に神奈川県選出の立憲民主党の衆議院議員で小児科医の阿部知子さんが参加をしてくださり、最後にご挨拶をいただきました!阿部さんは以前からカネミ油症事件には親身にご相談に乗ってくださり、長崎県五島にも行かれて被害者にもお会いになられたり、超党派での油症被害者救済に取り組んで来られています。
講演資料:日本・台湾における油症事件とPCB・ダイオキシン汚染
(朝日新聞の写真展の取材にも応じました)

2023.11.3、当委員会のホームページを開設しました。固定ページには委員会の基本情報をアップしていますが、随時、委員会の活動もブログ投稿してまいります。