「へその緒プロジェクト」羽ばたく!

 1月12日(金)、「へその緒プロジェクト」記者懇談会が開かれ、各メディアの方々に
お話が出来ました。ありがたいことです。場所は福岡市役所議会棟 第4応接室に集まった
のは、共同通信、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、西日本新聞、NHK、長崎放送の皆さん
でした。

 講話は宮田秀明摂南大学名誉教授、「へその緒」におけるダイオキシン類の検査・調査の
エキスパートです。そして聞き手は、藤原寿和カネミ油症被害者支援センター(YSC)初代
事務局長。

 母親と子を結ぶ「へその緒(臍帯)」において、母親より子の方が10倍感受性(毒性)を
持つという驚くべき説明があり、「胎児毒性」という言葉と概念が提示されました。

「カネミ油症事件」では、2007年~2009年に掛けて、「へその緒」の調査・検査を行い、
2009年5月の「福岡医学雑誌」において、2編の報告がなされました。その際、母から子を
繋ぐへその緒を通して、異常な数値が証明されました。しかし、その後なぜか?へその緒
の研究と追跡はなされていません。

 今回改めて、カネミ油症被害者の母親からへその緒の提供を受けて、調査を行い、カネミ
油症被害者救済の一助になればと考えています。

 これから全国の医師、研究者の参加を求めて、「へその緒プロジェクト」を充実させて
いきたいと思います。ご期待いただくとともにご支援をお願い致します。

                 映画「母と子の絆~カネミ油症の真実」製作委員会
                               映画監督 稲塚秀孝
◆当日写真

◆新聞記事:

◆オンライン記事
・毎日新聞 :へその緒に残るダイオキシン調査へ カネミ油症被害者に提供呼びかけ
・日本経済新聞:カネミ油症、患者のへその緒調査へ 子や孫の救済目指す
        カネミ油症、へその緒調査 支援者、子や孫世代の救済めざす
・Yahoo!ニュース:へその緒に残るダイオキシン調査へ カネミ油症被害者に提供呼びかけ
・NEWSPICKS:へその緒に残るダイオキシン調査へ カネミ油症被害者に提供呼びかけ
・gooニュース:へその緒に残るダイオキシン調査へ カネミ油症被害者に提供呼びかけ
・dメニューニュース:へその緒に残るダイオキシン調査へ カネミ油症被害者に提供呼びかけ
・カナロコ|神奈川新聞:カネミ患者へその緒調査へ
・静岡新聞:カネミ患者へその緒調査へ 子や孫世代の救済目指す
・京都新聞:カネミ患者へその緒調査へ 子や孫世代の救済目指す
・東京新聞:カネミ患者へその緒調査へ 子や孫世代の救済目指す
・河北新報オンライン:カネミ患者へその緒調査へ 子や孫世代の救済目指す
・神戸新聞NEXT:カネミ患者へその緒調査へ 子や孫世代の救済目指す
・高知新聞社:カネミ患者へその緒調査へ 子や孫世代の救済目指す
・北日本新聞社:カネミ患者へその緒調査へ 子や孫世代の救済目指す
・千葉日報:カネミ患者へその緒調査へ 子や孫世代の救済目指す
・新潟日報デジタルプラス:カネミ患者へその緒調査へ 子や孫世代の救済目指す
・大分合同新聞:カネミ患者へその緒調査へ 子や孫世代の救済目指す
・西日本新聞me:カネミ患者の子のへその緒調査へ 次世代救済へ支援者がプロジェクト立ち上げ
・岡山の医療健康ガイド:カネミ患者へその緒調査へ 子や孫世代の救済目指す
・MEDIFAX:カネミ患者へその緒調査へ 子や孫世代の救済目指す

岩村定子さんの想いは深く!

2018年11月17日、カネミ油症発生(1968年)から50年目の節目の取材より
◎亡き子の患者認定求めて 
 へその緒から原因物質 

 長崎県五島市に住む認定患者の岩村定子(いわむら・さだこ)さん(69)は、食
品公害「カネミ油症」が表面化してから5年後に産んだ長男満広(みつひろ)ちゃん
を、生後4カ月で失った。近年になり、へその緒から検出された原因物質。亡き息子
の患者認定を求めて、闘い続けている。

 同市で17日に行われた追悼式。代表して献花した岩村さんは口を真一文字に結
び、こみ上げる涙をこらえた。早世した長男の面影が、頭の中をよぎる。

 1973年8月に未熟児で生まれた満広ちゃんは上唇が裂け、肛門がなかった。心
臓の弁がふさがっていることも判明し、すぐに別の病院へ移された。青白い全身の肌
は、泣くたびにどす黒くなったという。同年12月のある朝、容体が急変する。うめ
き声を上げ続け、搬送先の病院で翌日、息を引き取った。

 「どうして元気な子を産めなかったのか」。岩村さんは自問自答を繰り返した。五
島列島で生まれ育ち、19歳でカネミ倉庫(北九州市)製の米ぬか油を口にした。た
だ、妊娠中の定期検査で胎児に異常はなかった。

 油症患者の女性から黒ずんだ皮膚の赤ちゃんが次々と生まれていることを、後に知
る。自身も目まいや背中のかゆみといった症状があり、40代で子宮筋腫、50代で
大腸がんを患った。「油が子どもにも影響したのだ」と、岩村さんは考えるように
なった。

 2005年、節目の三十三回忌。「これで終わらせていいのか」。家族が差別され
る可能性を思うと葛藤はあったが、09年に油症の検診を初めて受け、翌年に患者認
定を得た。

 5年前、満広ちゃんのへその緒を、九州大の油症研究班に鑑定してもらった。死後
40年ほど経過していたのに、ダイオキシン類が検出された。「長男も油症だったの
か」と詰め寄ったが、研究班は実例が少ないことを理由に「判断できない」と回答し
たという。

 手元に残る満広ちゃんの写真は、1枚だけ。看病に追われ、思い出を残す余裕がな
かった。「なぜ生きられなかったのか。理由をはっきりさせて墓前に報告するのが、
親の義務でしょう」

「へその緒プロジェクト」を立ち上げ、実行!!

●岩村定子さんから受け取ったメッセージ
 油症被害者の岩村定子と申します。今回稲塚様より、お話を聞き、本当にありがとう
ございます。
 私、前回、息子のへその緒を調べて頂きましたけど、どうしても納得がいく返事を頂
くことは出来ませんでした。親として、とっても悲しく、また子どもに対して、丈夫に
産むことが出来なかった事、本当に申し訳ない気持ちが、今でも心の隅にいつもあるの
です。親として、ぜひ何とか、きっかけを見つけて下さる事を願うしかありません。
どうかよろしくお願いいたします。

●「へその緒プロジェクト」を立ち上げ、実行!!
 岩村さんは、どうしても長男の死が「カネミ油症」に起因していることを明らかにしたい、と
かねがね願っていました。2013年九州大学油症治療班長、古江増隆(ふるいえ ますたか)
教授(当時)に直に願い、満広さんと繋いだ「へその緒」を託しました。

 中々返事が来ないため、同じ奈留島の友人の力を借り、ようやく担当技師(医師はダイオキシ
ン検査ができない、スキルがない)から2015年(2年後)にFAXで返事が来ました。

 検査した数値はとんでもない高さでしたが、「これはへその緒に農薬か何かが付着したのでは?」という内容でした。岩村さんは納得できずにいましたが、昨年11月末に担当技師に電話で尋ねることが出来ましたが、今回も納得のゆく説明が得られませんでした。

「母と子の絆~カネミ油症の真実」製作委員会は、断固として「へその緒プロジェクト」を立ち上げ、真実を明らかにして参ります。                映画監督 稲塚秀孝

「へその緒」を預かりました(1月8日)

 本日朝、長崎県五島市奈留の港で、カネミ油症被害者岩村定子さんから、1973年8月に
生まれ、わずか生後4か月で亡くなった長男満広さんと繋いだ「へその緒」をお預かりして
きました。来たる1月12日(金)記者懇談会の場でメディアの皆さまにご覧いただき、報道
して頂きたいと考えています。お預かりしたへその緒は、小さな容器の中に納められ、木箱、
さらにビニールの袋に入っています。

多様な症状 未認定患者でも カネミ油症 水俣協立病院の藤野医師が調査発表

 1960年代に発生したカネミ油症の主な症状である皮膚の色素沈着などが、被害が集中した長崎県五島市奈留町の未認定患者にも高い割合で現れていることが6日、水俣協立病院(水俣市)の藤野糺[ただし]医師らの調査で分かった。(01/06熊本日日新聞)

【カネミ油症の被害の実態を後世に伝えなければいけない】

 カネミ油症被害者である下田さん親子にインタビューさせていただきました。
  母・下田順子さん、娘・下田恵さん

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母・下田順子さん

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 私たちは、自然界にはない物質によって、多大な影響を親から子へ、子から孫へ世代を超えて影響を受けているものと思われます。
 小学校での生活が始まってまもなく、倦怠感、頭痛、腹痛、多量の鼻血などの症状が現れました。ひどいいじめにも遭いました。生きていくことに絶望し命を絶とうと思ったことも何度もあります。
 しかし今、ここに私が生きているのはこの被害の実態と、どのように私たちがこのPCBダイオキシン被害と向き合ってきたかを後世に伝えなければいけない。その思いで私は生きることを決意して今に至っています。
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娘・下田恵さん
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 高校生のときに初めてカネミ油症という言葉を知りました。母から聞いたカネミ油症の症状とこれまで自分に出た症状が同じであることに衝撃を受けました。
 カネミ油症を知らない方々が多くいます。知らなければ理解をすることもできません。
カネミ油症を知らない世代に伝えていくこと、社会からカネミ油症を変えていくこと。そして、差別と偏見をなくして、皆さんが笑顔で暮らしていくことができる社会にしていきたいと思っています。
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 下田順子さん、恵さんご協力をいただきありがとうございました。半世紀以上たっても続くカネミ油症事件の真相を伝え、被害者救済の道をつくるため映画「母と子の絆~カネミ油症の真実」の製作を進めています。ぜひともご支援をいただけますと幸いです。
 https://congrant.com/project/yusho2024/9712
・目標金額:1,000万円
・期間:2023/12/20〜2024/02/29

「へその緒プロジェクト」宣言!

 皆さま 新年あけましておめでとうございます。

 映画「母と子の絆~カネミ油症の真実」製作委員会の稲塚秀孝です。年明けから本格的に「へその緒プロジェクト」を展開します。

 今から56年前に起こった「カネミ油症事件」。その被害者が次世代に拡がっています。母から子へ、そして孫世代へ。PCB(ポり塩化ビフェニール)の毒性を繋いでいるのが「へその緒」なのです。「へその緒」を通して子に、孫に毒性が及んでいることに着目し、「カネミ油症被害者」の確定と救済につなごうとする取り組みを進めて行きたいと思います。

 何が起こったのか?を記録し、告発するのが、ドキュメンタリー映画の真髄ですが、この映画では、「へその緒プロジェクト」と共に、カネミ油症被害者に寄り添いながら、製作を行います。

 提案型の映画製作活動に皆さんからのご支援、ご協力をお願いいたします。現在映画製作支援のクラウドファンディングを実施しています。https://congrant.com/project2024/9712   からお願いいたします。

                                     映画監督 稲塚秀孝

2024年1月「へその緒プロジェクト」発信!

 昨日(12月28日)に「カネミ油症被害者全国連絡会」事務局長の三苫哲也さんのコメントを
発信いたしましたが、三苫さんとは3年前から取材を通じて交流を重ねてきました。

 今回「へその緒プロジェクト」を始めるにあたり、福岡地区の被害者の母親の方々に「へその緒」
の提供を呼び掛け、1月12日に行う全国連絡会の検討会の場で、全国の皆さんに呼び掛けて下さい
ます。とてもありがたいです。三苫さんは母親から「へその緒」を通して、ダイオキシン類の毒性
を受け継ぎ、少年のころは脆弱で、時には強い下痢症状におそわれた経験をお持ちです。

 東京で教科書の出版社勤務の後、福岡に戻り、病院で医療従事者の支援の仕事を続けています。
実は三苫さんが勤めていた出版社には、二重被爆した故 山口彊さんを教科書に掲載していただい
ている”縁”がありました。

 1月12日(金)午前、福岡市役所議会棟の部屋で、「へその緒プロジェクト」の記者懇談会が開か
れます。カネミ油症被害者の母と子を繋ぐ「へその緒」は今回の映画の最大の訴求ポイントです。
皆さま、ぜひ年明けからの展開にご注目下さい。
                                 映画監督   稲塚秀孝

今の社会の発展の裏側に何が起こったのかをしっかり残さなければならない

 カネミ油症被害者全国連絡会事務局長 三苫 哲也 さんから、映画『母と子の絆〜カネミ油症の真実』製作にあたっての応援メッセージをいただきました。

 カネミ油症事件は誰の身にも起こり得る公害で、安心だと思って食べてるものに猛毒が入っていたという事件です。

 この事件自体はもう50年も経って風化もしつつあるんですけれども、当時、他にもアスベストや原子力発電などいろんな夢の化学物質が出てきて、私たちの暮らしがより豊かになってきたというのも事実だと思うんです。

 ただこの僕たちの今の社会の発展の裏側に、何があったのかということはしっかり残しておかなきゃいけないと思います。

 現代社会においても、例えばマイクロプラスチックや化学繊維を食べた魚を僕たちがまた食べて、いつのまにか僕たちの体にもまたそういうものが蓄積されているような状況がある中で、現代の私たちの社会問題としても捉えられると思いますので、ぜひ映画の製作にご協力いただいたり、映画ができた暁にはぜひご覧いただきたいなと思っています。よろしくお願いいたします。