群馬大学医学部学生190名の感想

 映画「母と子の絆~カネミ油症の真実」製作委員会では、今年10月から劇場公開、上映会(非劇場)を並行して行っています。さらに、普段ドキュメンタリー映画を観る機会が少ない若い世代に向けて、映画本編86分からダイジェスト版(35分)を作成し、全国の高校・大学の授業、講座の中で上映活用いただくことを始めました。

 11月半ばに群馬大学医学部の講座「医系の人間学」でご覧になった学生190名の方々の感想が届き、公開が許されました。本ホームページの「映画を観て」でご覧いただきたいと思います。注目すべきなのは、「カネミ油症事件を知っていますか?」の問いかけに対し、86%の学生(18歳~20歳)が知らなかったと答えています。この映画の趣旨は「カネミ油症事件を知って欲しい」ですので、知らなかった学生の方々に今回知っていただけたことは大きな効果であり、喜びです。

 ダイジェスト版に関する問い合わせ先は、090-3433-6644 稲塚までお願いいたします。
                               映画監督   稲塚秀孝

「カネミ油症」上映通信㊱

 ~12月2日 故満広さんの命日~
 真夜中の博多港からフェリー「太古丸」に乗船し、今朝7時25分五島市奈留港に着船。出勤する奈留の方から声をかけられました。
「監督、これから取材ですか?」マスク越しなので、どなたか分からないまま、「ありがとうございます」と返事をしました。奈留に通うのも10回近くになり、顔見知りも増えたし、長崎新聞の記事や9月の奈留上映会に来られた方かもしれない。うれしい。

 今回の目的は、岩村定子さんから預かった「へその緒検査」が終わり、残された3人のお子さんの「へその緒」をお返しに上がったのです。定子さんは福江の病院に入院中、今年2月から、がんと闘っています。ご主人に「へその緒」をお返しし、今日は長男満広さんの命日、1973年12月2日に生後4か月で亡くなったのだ。声を上げることができなかった、カネミ油症被害者なのです。満広さんの仏前に手を合わせたいとお願いし、ご主人から小さな木の札を見せていただく。私はこみ上げるものを感じながら、手を合わせました。まだ、まだ満広さんの”無念“を晴らすことができていない、が、今後いかなる方法を駆使しても、定子さんと満広さん親子のお気持ちに報いたいと誓いました。      
                        映画監督   稲塚秀孝

「カネミ油症」上映通信㉟

 ~長崎での上映開始~

 昨日(11月29日)から長崎セントラル劇場での上映が始まりました。初日は25名の方々にご覧いただいた。上映後の挨拶は約10分間。「へその緒検査」の結果から今後の動きについて。へその緒保存は、日本が誇る”伝統文化”であると伝え、松尾芭蕉の俳句(1687年)「古里やへその緒に泣く年の暮」を紹介する。少なくとも江戸時代からへその緒が、母と子をつなぐ絆であると話しました。

 そしてダイジェスト版(35分)を全国の高校・大学で活用し始めることをお願いしました。すでに500人ほどの18歳から20歳の医学・薬学生に観ていただくことができています。今後様々な大学へプレゼンして参ります。まず3000人、5000人、10,000人へ。また経過を報告いたします。

 昨日の長崎はみぞれ交じりの雨模様でした。今日は天気も回復します。今日、新たな”出会い“を期待いたします。
     映画監督   稲塚秀孝

YSC(カネミ油症被害者支援センターニュース81号)から

YSCから転載許可がおりましたので、以下転載します。
編集後記
 カネミ油症を取材した新しい映画『母と子の絆~カネミ油症の真実』(稲塚秀孝監督)が完成。 先日、鑑賞した。
  私も『食卓の肖像』というカネミ油症の映画を2010年に発表したが、共通する出演者もいて、14年たった現在の状況を考えてしまう。この14年間でカネミ油症の問題、いろいろと進展してきたこともあるが、残念ながら未解決のままの問題も多い。私の映画に出演されている未認定患者の方たちはどの方もいまだに認定されていないし、重本加名代さんが未認定のまま亡くなられたことは残念でならない。
  これまでの通り、YSCなどのカネミ油症支援運動に関わり運動を進めることはもちろん、新しいカネミ油症の映画が出来たことをきっかけに改めて自作の映画も再上映して、どうすればカネミ油症問題を解決していけるのか、活動を続けていきたいと思う。 映画監督 金子サトシ

(補記)1/26(日)13:30~、『食卓の肖像』と『母と子の絆~カネミ油症の真実』のコラボ上映会を
    文京区民センター3A会議室で行います。
 

「カネミ油症」上映通信㉞

 ~「医系の人間学」から~
 映画「母と子の絆~カネミ油症の真実」では、新たな展開が生まれつつあるようだ。昨日群馬大学鯉淵典之教授(日本内分泌攪乱部室学会長)から学生の皆さんが映画のダイジェスト版を観て、感想を送ってくれました。今後データをまとめますが、感想を寄せてくれた方々は群馬大学の1・2年生の190名。カネミ油症事件を知らなかった学生は159名(84%)、知っていた学生は31名(16%)で、これが”現実”だと分かった。
 今後映画を全国でご覧いただくと共に、若い世代(特に医療・衛生・環境・社会学を学ぶ方々に知っていただきたいと思います。その為の活動を続けてゆこうと思います。
 そして年明け2025年1月13日文京区民センター3A会議室で行う上映会は、学生以下“無料”とさせていただきます。今後あらゆる機会を通じて、お伝えしていきたいと思います。
                                 映画監督    稲塚秀孝

「カネミ油症」上映通信㉝

 ~高校生・学生の皆さんへ~
10月から神戸・元町映画館、京都シネマで上映し、いずれも終了しました。

 カネミ油症事件が発生したのは、1968年(昭和43年)の事です。私は高校3年生の頃、北海道に住んでいた私は、おそらく地元・北海道新聞で読んでいたかもしれませんが、カネミ油による「食中毒事件」だという認識はありませんでした。

 従って2006年夏、長崎のミニシアターでカネミ油症被害者の方に「カネミ油症を知っていますか?」と声をかけられるまで、関心を持つことはなかったことを、今は心から恥ずかしいと思っています。

 これまでご覧いただいた方々は、「カネミ油症事件」を同時期に知った方々、70代以上がほとんどで、20代と思われる方はわずかでした。そこで年明け行う東京上映会、1月13日(祝)では、学生以下無料でご覧いただくことにしました。

 教科書には、良くて数行しか書き込まれない「カネミ油症事件」を“今こそ”知っていただきたいと思います。「食の安心・安全」が大きく叫ばれる今、知っていただきたいと切に望みます。
                                映画監督    稲塚秀孝