カネミ油症事件(1968)発生から56年が経過した今を描いた映画が完成しました。
「母と子の絆~カネミ油症の真実」(86分)です。“ドキュメンタリーは告発!”の
製作意図を体現しています。ぜひご覧いただきたいと思います。
カネミ油症被害者の声を聴き、被害者が苦しみ続けてきた日々に、想いを馳せ、
その声に心が揺さぶられました。
この国の無策、無作為、カネミ油症被害者を見捨てた”罪“を問いたいと取材を続け
ました。ダイオキシン類による被害がカネミライスオイル(毒の油)を食べた親を
持つ、子や孫の次世代にまで及んでいる現実。事件発生から半世紀が経過した今、
終わったことにしてはいけない、と感じます。
元々食中毒事件だったにもかかわらず、当時国と医療関係者(九州大学)が認定、
未認定と被害者を”分断”する歴史を続けてきたこと、事件を矮小化する策動に強い怒り
を感じます。
映画製作の過程から、被害者とお子さんをつないだ「へその緒」検査に取り組んで
います。母体からへその緒を通じて、胎児に毒性物質が移行することは既に明らか
です。ダイオキシン類の数値を証明し、被害者救済に結びつけられないか、と映画
上映活動と並行して進めたいと考えています。
「母と子の絆~カネミ油症の真実」監督 稲塚秀孝